2017
09.30

「『はいからさんが通る』展」が弥生美術館で

Category: 少女漫画
大和和紀といえば、弥生美術館の原画展が始まりました。
「花子とアン」の再放送も、来週から修和女学校編に入ります。
明後日から始まる「わろてんか」でも、ヒロインの女学生姿が見られそう。

 大和和紀の原画約200点を公開 「『はいからさんが通る』展」が弥生美術館で

 大和和紀の原画展
 「『はいからさんが通る』展 ~大正♡乙女らいふ×大和和紀ワールド!~」が、
 東京の弥生美術館で9月29日より開催される。
 このイベントでは「はいからさんが通る」の原画とともに、
 大正から昭和初期にかけての女性文化を紹介。
 大和の初期作品や「あさきゆめみし」「ヨコハマ物語」
 「イシュタルの娘」などの代表作を含む、約200点の原画を公開する。
 期間中には学芸員によるギャラリートークも開催。
 袴着用で来館すると特製しおりがもらえ、
 入館料も割引になるサービス「ハイカラさん割引」も実施される。
 「はいからさんが通る」は1975年から1977年まで
 少女フレンド(講談社)にて連載された作品。
 大正時代の東京を舞台に、活発でおてんばな“はいからさん”こと花村紅緒と、
 許嫁である陸軍少尉・伊集院忍との波乱万丈な恋模様が描かれた。
 なお10月には、宝塚歌劇団花組による
 「ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』」が上演。
 早見沙織が紅緒役、宮野真守が少尉役を演じるアニメ映画
 「劇場版 はいからさんが通る」の前編が11月に、
 後編が2018年に公開されることも決定している。
 (2017年7月10日「コミックナタリー」)

弥生美術館で開催されるということで、ただの原画展に終わらず、
「大正から昭和初期にかけての女性文化を紹介」とあり、さらに楽しみです。

余談
「ひよっこ」は最終回、「悲しい出来事に幸せな出会いが勝ったんだよ」。
失踪した父の代わりに働きに出た東京で、みね子は幸せに。
「人が暮らしてるとごろは、みんな、いいとごだよ」から始まり、
大事なことはいつも宗男おじさんが言っていた気がします。
世津子はあかね荘を継ぐのかな、すずふり亭には愛子さんがいて、
富子さんと鈴子さんみたいな関係に、世津子と愛子がなるのかもしれない。
「悲しい出来事」があったけれど、あかね荘で友ができて、
「幸せな出会いが勝った」のは、世津子も同じ。
みね子、時子、三男は、これからも東京で生きていく。
スピンオフはないのかな(なくてもいいと思う、本編で描き切るのも大事)、
それとも、時間を置いて続編的に制作?
続編を見たいとも思うし、みね子夫婦が、荻窪あたりで
小さな洋食屋さんをしているのを、勝手にふんわり想像していたいとも思う。
「わろてんか」は、ヒロイン以外、子役さんも含めて見知った顔ぶれが多い。
2017
09.29

「『はいからさんが通る』人気再燃 大正女性の姿に共感」

Category: 少女漫画
大和和紀『はいからさんが通る』(講談社)が、原画展開催、宝塚で舞台化、
アニメ映画化(作画がまるで原作とはちがうけれど)と、ブームが再燃。

 少女漫画のロングセラー「はいからさんが通る」の人気が再燃している。
 アニメ映画・舞台化されたり、原画展が開かれたり。
 連載終了から40年、現代女性の心に響くのはなぜか。
 「はいからさんが通る」のシリーズ累計発行部数は1200万部で、
 少女漫画史上屈指のベストセラー。
 昨年末から今年にかけては新装版も出版された。
 テレビアニメや実写映画など映像化も何度もなされてきたが、
 連載時の読者だけでなく、今の若い層にも読まれているようだ。
 「今も中高生からファンレターが来る」(版元の講談社)

 ■原画展や舞台化
 今秋は展覧会や舞台化、映画化もある。
 まず東京・文京区の弥生美術館で原画などを集めた
 「はいからさんが通る」展(9月29日~12月24日)が開かれ、
 続いて宝塚歌劇団花組によって舞台化される
 (10月7~15日、大阪・シアター・ドラマシティ、
 10月24~30日、東京・日本青年館。脚本・演出は小柳奈穂子)。
 劇場版アニメの新作も作られた。
 11月に前編、来年には後編が公開される予定だ。

 ■袴姿の来館者も
 なぜこれほど人気なのか。
 漫画のヒロイン紅緒の「袴姿」への憧れはあるようだ。
 女性の袴姿は、近年は大学の卒業式だけでなく、小学校の卒業式でも見られる。
 明治~昭和を扱った展覧会の多い弥生美術館には最近、
 袴姿で来館する「袴女子」が少しずつ増えているという。
 加えて、同美術館の外舘惠子学芸員は
 「NHKの連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)あたりから、
 大正時代への関心が高まっている」と話す。
 このドラマによって、歌人の柳原白蓮の恋愛事件などがよく知られるようになった。
 「はいからさんが通る」展では、原画だけでなくこの時代の資料も展示するという。
 現代人は大正期の何に引かれるのか。
 外舘学芸員は「大正は華やかな印象がある一方で、
 着物から洋装へと変わり、江戸情緒も失われた過渡期。
 めまぐるしく変化する現代と、通じるところがあるかもしれない」と見る。
 現代女性も「はいからさんが通る」のヒロインと同様、
 激動の時代を生きているのかもしれない。

 ■作者・大和和紀さんの話「歴史ものは古びない」
 連載を始めたころ、少女漫画誌は高校生の恋愛ものが中心で、
 歴史ものは少なかった。
 でも明治末~大正期に「ハイカラさん」と呼ばれた、
 えび茶の袴とブーツの女学生を描いてみたい、と編集部を説得した。
 大正は思想統制やロシア出兵、大震災など大変な時代でもある。
 それらに翻弄されながらも明るく生きる少女を描こうと思った。
 物語の骨子が王道のメロドラマなので、その分ヒロインは少し“破壊”した。
 けんかっ早くて酒癖の悪いヒロインは、
 少女漫画では珍しかったのではないかと思う。
 ギャグもたくさん盛り込んだ。
 今読み直すと、20代だった自分の未熟な部分も見つかるが、
 そこがいいのだと思う。
 連載開始から40年以上も愛され続けるなんて、こんなに幸せな作品はない。
 親子3代で読んでくださる方もいると聞く。
 後年、源氏物語を原作とした「あさきゆめみし」を描き、現在は
 戦国期を舞台にした「イシュタルの娘」を連載しているが、歴史ものは好き。
 現代のトレンドを取り入れた漫画は、しばらくすると時代遅れになることもあるが、
 歴史ものはいつまでも古びないものだから。

 ■「はいからさんが通る」
 1975~77年に講談社の「週刊少女フレンド」で連載された。
 大正時代を舞台に、男まさりの女学生花村紅緒と青年将校、
 伊集院忍の恋がロシア革命や関東大震災など
 波乱の時代を背景に描かれる。
 物語の後半、紅緒は行方不明になった伊集院の家族を支えるため
 出版社に入り職業婦人となる。
 「わたしたちは殿方にえらばれるのではなく わたしたちが殿方をえらぶのです」
 「どのくらい 女より男がすぐれているとおっしゃるのか おためしください」
 など、男尊女卑の社会に立ち向かう女性の名セリフも多い。 
 (2017年8月29日「日本経済新聞」夕刊)

朝ドラでいえば、「花子とアン」の前も「ごちそうさん」で袴姿の女学生が描かれた。
ここ数年の小学校の卒業式における袴ブームは、賛否両論。
大震災の際、東北の小学校の卒業式のニュースで、袴姿の女の子が映ったこと、
「花子とアン」には、袴姿の小さな女学生の「小さい人」たちが登場したこと。
そういった複合的な理由からブームが起こったのかな、と思います。
何を隠そう、大和和紀『はいからさんが通る』は、はじめて読んだ漫画でした。
それだけに、私にとっても、思い入れの強い作品なのです。
いわゆるフェミニズム的な要素にはじめて触れた作品、とも言えます。
ヒロインの紅緒は、職業婦人になりますが、一方で古典的な待つ女でもある。
2017
08.29

『ちはやふる』(35)

Category: 少女漫画
末次由紀『ちはやふる』第35巻(講談社、2017年)、読了しました。
始まった名人戦、クイーン戦の予選、一方で、進路選択も迫る高校3年生の夏。
秀才の太一も、模試の成績が下がってしまったけれど、
逆に、「音の解像度」「目の解像度」は上がっていくのを感じていた。
千早もまた、かるたも、勉強も全力投球。
新たなライバルの速水さんは書道が得意、「私の腕は一画目から札とつながる」。
1期だけの元クイーン、山本由美に配列工夫の助言をもらった彼女に、
動揺している千早は苦戦するものの、なんとか調子を取り戻す。
「だれも信じないだろうけど ときどき 読まれる札が浮いて見える」
「ときどき見えるの 縦に伸びる Z軸が」
須藤は、それを信じて、「それが綾瀬の 『聴こえる』なんだろうね」。

 いまさら北野先生の気持ちがわかる
 速水さんの札との繋がり方はおもしろい
 まだまだ伸びる 伸びていく姿が見たい
 北野先生 私はまだ 伸びていく姿を見せられるかな

ちょっと地味な、不運な山本由美のストーリーもまだ終わっていません。
そして、東日本予選の1回戦、準備不足を痛感してしまった千早に対し、
太一は、「主役」ではなく「悪役」として来ていた。
  
 周防名人と試合をした人は かるたをやりたくなくなるって知ってるか?
 なんかそういう…… あいつからもそういう感じがする

須藤さんと当たった太一は、「先に負けたほうが競技かるたを辞める」賭けを?
千早が当たったのは、身重でも頑張るライバルに触発された桜沢先生。

 君たちは 自分たちが主役の物語を生きてると思ってるだろう
 ちがうよ 輝いてる君たちでさえも だれかの物語の一部分(パーツ)だ
 (末次由紀『ちはやふる』第35巻/講談社、2017年)

う~ん、千早も心配ですが、何よりも、影の主役と思っている太一が気がかり。
2017
08.28

『とりかえ・ばや』(12)

Category: 少女漫画
さいとうちほ『とりかえ・ばや』第12巻(小学館、2018年)、読了しました。
尚侍がもとの沙羅双樹ではないか、と疑い始めた帝。
梅壺の女御も、睡蓮と沙羅双樹の入れ替わりに気づき、閨で帝に訴える。
「上様が必ず 左大臣家を罰して下さるものと信じております」
呪詛により、流行病が起こって、尚侍を案じる帝。
左大臣が襲われ、そこに、睡蓮が駆けつける。
梅壺の女御の暴挙によって、睡蓮と沙羅双樹は帝が秘密を知ったと悟る。

 睡蓮…!! 私たちも身を引いてはだめだ…!!
 お守りしたい方がいて そのために立場をとりかえて
 宮中に戻ってきた身じゃないか ここにいなければだめなんだ…
 お慕いする方と結ばれなくていい
 主上にいらぬと命ぜられるまで役目を全うしよう
 出家するのは それからでいい
 (さいとうちほ『とりかえ・ばや』第12巻/小学館、2018年)

ところが、沙羅双樹は、(男装していたときの)肩の傷を見られてしまい……。
(毒蛇に噛まれるなんて、まるで『王家の紋章』みたい。)
「白く… 美しい なんの傷もない肩だ」
沙羅双樹を見舞いに参内した弓弦親王が帝を襲う。
そして、吉野の宮は、睡蓮が鞍馬山から持ちかえってきた、
銀覚の呪いの証を使って、呪詛返しを行うことに。
睡蓮と沙羅双樹も、天狗の呪いがまだ解けていない。
睡蓮と沙羅双樹の恋も佳境に入り、物語はクライマックスです。

余談
「ひよっこ」、漫画家さんたちも、地下鉄現場などできちんと働いていたとは。
「ひよっこ」は、やっぱり働く人たちの物語(漫画も労働だろうけど)。
漫画家を目指すことが嫌になって逃げたとしてもわかる、という時子。
耐えられなくなって逃げる、という選択肢の可能性を否定しないのも特徴?
可能性は否定しない、それもアリ、でも、実も漫画家たちもそうではない。
(以前、故郷から戻らなかった祐二も、結局は戻ってきた。)
みね子をモデルに描いていた漫画のタイトルは、「恋のひよっこ」。
中だるみとか地味とか、盛り上がりに欠けるとか、視聴者のツッコミを代弁?
漫画の空白のページのように、今は何もないかもしれないけど、
みね子の人生はまだまだこれから、まだ盛り上がりがある、ということ。
みね子の働きぶりが好き、自信を持て、と励ますヒデ。
そして、ヒデは、理由を言わずに休暇をとる。
ミニスカートは縛られていた女性が「解放」されること、と宗男さん。
そのためには、男こそが変わらなければいけない、と言う宗男さんは新しい。
時代劇の衣装が背が高すぎてだめと言われた時子は、ミニスカートで……。
みね子を「解放」してあげたい、と相談する谷田部家。
「悲しいこどはよ、降ってくるみだいにいぎなり起ぎんだ。
どんなにきちんと、誠実に生きてでもよ、
悲しいこどややなこどは突然起きる。どうしようもなぐ起ぎんだ。
でもよ、悲しいこどから救ってくれんのは、人だよ、人間だ。
立ち直らせでくれんのも人だよ。んだからよ、
誰かに助けてもらったら誰がを助ければいい。
それでいいんだよ。人を救うのは人だよ。
みんながそうすりゃ、世界はきれいに回ってぐよ」
実は、思い出せなくてもいい、ここで生きていくこと、美代子が好きだと言う。
ここからだ、空白のページ(過去ではない)を取り戻すのは。
テレビ局に出前に来たみね子は、ヒデに背中を押され、川本世津子に再会。
ヒデも変わり、みね子も変わった。
「大丈夫、にするしかないから」
世津子だけでなく、みね子も(おそらく、ほかの皆も)、そうやって生きている。
小学校にろくに通っていないから、漢字が読めない世津子。
台本を読むのも大変なことも、「大丈夫」にして頑張ってきたのだろう。
ああ、三男も、ヒデと同様に時子に「自信を持て」と言ったのか。
時子が夢をかなえるまで片思い、自分のことを考えるのはそれから、と三男。
みね子は自分で選んできた道だ、それが耐えることでも、
自分で選ぶのが自由ではないか、と由香に言っていた。
そのことと「解放」は絡むのか、どうか。
2017
06.03

『イシュタルの娘ー小野於通伝ー』(15)

Category: 少女漫画
大和和紀『イシュタルの娘ー小野於通伝ー』第15巻(講談社、2017年)、読了。
徳川秀忠、江与の娘の和子の入内に付き添うことになった、於通と於図。
和子と於図は姉妹のよう、窮屈な江戸城を出て、和子は楽しそう。
そして、和子が入内する帝もまた、自由を求め、青侍のなりをして市中へ。
和子のために、子までなした、愛するおよつと別れさせられ、やりきれない帝。
於図は、入内におびえる和子の希望で、清水寺に案内することに。
警護を頼んだのは、あの真田信政だった。
ところが、祭りの喧騒にはぐれた、和子は豊臣方についた者に狙われる。
そこはよき少女漫画の世界、和子を助けたのは、偶然にも、変装をした帝……。
雨の夜を過ごし、謎の青侍(実は帝)に清水寺まで連れて行ってもらう和子。

 いかん いかん! 朕としたことが何をしようと…?
 あんな年若い しかも嫁ぎ先の決まっているものを
 あの娘といる間 いやなことは忘れられた …ええ娘やった
 けど…もう二度と会えまいな
 朕は徳川の娘と結婚するのや…

 …だから わたし… もう大丈夫なの
 入内しても… どんなことがあっても…
 あの「お好きさん」が胸の中にいるから…

(こういう、いかにも少女漫画的な偶然と運命の物語、すばらしい。)
いよいよ入内、盛大な行列は、於通が平安時代の文献を調べ、
大臣の姫君の入内の様子を再現したもので、見物衆の心をつかむ。
後水尾天皇は25歳、徳川和子はまだ14歳。
ところが、婚礼から10日が過ぎても、帝のお渡りはない。
仲良くなった、およつ所生の賀茂宮が急死、おふくの命令によって菓子に毒が。
その後も、帝の御子たちが不審の死を遂げる。
生命を狙われていると思う、およつは梅宮を連れて仏門に入っていく。
何もかも自分のせいだと悩む和子は、井戸に身を投げようとして、
これもまた、少女漫画的な展開で、助けたのは帝であった。
そうして、いろいろな犠牲はあったものの、「くずきりの恋」は成就する。
みごと入内を成功に導いた於通による徳川家康像が、大養寺に奉納される。
そのころ、真田家では小松姫が死去。
そんなとき、市中の本屋から、於通に女文字の教本の依頼が。

 世の中がこうして落ちついて参りまして 
 人々の目がようやく教養にむけられるようになりました
 大名の奥方はもとより 一般の婦人まで
 美しい文字を書きたいという願いをかなえてさしあげたいのです

若い於図を中心に大変な作業が始まったが、於図が真田信政の子を懐妊。
おふくが於図を家光の側室にと考えていたことから、秀忠は、
真田家を上田から松代に国替えし、上田攻めで恥をかかされた復讐を。
和子が出産した内親王に、於通は帝王の星を見る。
連載開始から10年、予告によれば、次の第16巻で遂に完結か。
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