Beautiful World

降っても晴れても

『林檎と蜂蜜』21

宮川匡代『林檎と蜂蜜』(集英社)第21巻を読了。
これも、惰性で(?)読み続けている作品ですが、そろそろ……。

サイドストーリーの「課長さん」と「まみ」の恋が成就、結婚して、
次巻は本編にもどり、「あゆみ」と「大西さん」の恋も新展開に入るのかな。
『クローバー』のやきもきと同様に、こちらも、これでもかこれでもかと、
登場人物を揺さぶり続けるストーリー展開に辟易しつつ、
最後まで見届けたい気持ちもあります。

『ゼフィルスの森』

大和和紀、1年半ぶりの最新作にして、20年ぶりの1話完結作。

ゼフィルスの森 (KCデラックス)ゼフィルスの森 (KCデラックス)
(2008/08/11)
大和 和紀

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雑誌連載を欠かさず読んでいましたが、まとめて読むのは気分がちがう。
森の輝く生命力から生きる力をもらった「真奈」の物語は、
夏休みに読むのには、ふさわしいと思います。

大和和紀の次回作は何かしら、と早くも気になります。
お得意の歴史モノが読みたいなぁ、と期待してしまいます。
雑誌『クレア』のインタビューで、編集部からは大河ロマンを要求されると。
『はいからさんが通る』、『ヨコハマ物語』、『NY小町』はどれも大好き。
これらを「明治大正3部作」と総称するのだそう。

やさしく 強く 美しく

この少女漫画、小学生から中学生の少女を対象にしていて、
当時は2度にわたってテレビアニメ化もされました。
亡き母の「やさしく 強く 美しく」なってほしい、という言葉を胸に、
貴族の国イギリスで、レディを目指すリンの物語。

レディ!! (6) (秋田文庫)レディ!! (6) (秋田文庫)
(2002/07)
英 洋子

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母親のちがう姉セーラは、リンを受け入れてくれた、優しいレディ。
いじわるな異母姉や異母兄、継母、厳格な祖父の侯爵……。
隣家の伯爵家には、王子さまのようなアーサー、エドワード……。

黄金期の少女漫画には、「こんなふうに育ってほしい」というような、
教訓的というのか、理想が投影されていた気がします。
この作品も、際立った個性はありませんが、教科書的作品かもしれません。

作品は、困難を乗り越え、リンの念願の社交界デビューで終わりましたが、
17年もの歳月を経て、今年、続編が発表されているのです。
『少女漫画ルネッサンス ロマ×プリ』(詳伝社)で、連載がスタートしました。
作者の同人誌では、リンの子どもたちの世代の物語が書かれていたようですが、
今回の続編では、リンの17歳にもどって描かれています。
馬術でオリンピックを目指すリンを中心に、その後が語れられていくのですが、
作風も、読んでいる私の感覚も、なんだかすんなりと17年前にもどります。
そのタイムスリップ感が、ちょっと不思議です。

古典的な少女漫画ですが、試練を乗り越えながら、涙を流しながら成長する、
こんな少女の成長ストーリーは、今の時代こそ、必要にも感じるのです。
そこにあるのは勝ち負けではなくて、他者への思いやりや理解、
挫折することがあっても、自分の生き方を見つけていく姿勢だから。

『草の上 星の下』

私の好みの少女漫画は、けっこうエンターテイメント性の高いもの。
ドラマチックで、いわゆる大河ロマン的な大作に興味を引かれるのですが、
今日は、こんな素朴な世界観に癒されました。

草の上星の下 (クイーンズコミックス)草の上星の下 (クイーンズコミックス)
(2008/06/19)
谷川 史子

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谷川史子さんの漫画を読むのは、はじめてかもしれません。
あまりに素朴で、飾り気のない作風が、じわじわと心にしみいる感じ。
「春が来たなら」はホームドラマ的名作ですし、
特に、姉妹の葛藤を描いた表題作は、うんうん、と頷きつつ読みました。
同じ環境で育ちながら、姉妹は性格もちがい、生き方もちがう。
それだけに、近いところで見ているお互いにあこがれ、そして、嫉妬する。

 お姉ちゃんがしあわせでありますように
 悲しいことや苦しいことが
 お姉ちゃんの夢にしのびこんできませんように
 お姉ちゃんの大切な人が
 お姉ちゃんを笑顔でいさせてくれますように
 (谷川史子『草の上 星の下』集英社、2008年)

対抗心や劣等感を乗り越えた先には、こんな優しい願いがある、きっと。

『まぼろしの花嫁』

細川智栄子の代表作は、『王家の紋章』や『伯爵令嬢』でしょうが、
『まぼろしの花嫁』(ひとみコミックス、秋田書店、1987年)もあります。
これは、あらゆる点で、『王家の紋章』の姉妹版です。
その後にアンコールを受けて復刊され、手許にあるのは2001年版。

舞台は日本で、ヒロインの千世は戦国時代にタイムスリップ。
それだけで、すでに『王家の紋章』に似ています。
だれかの陰謀で(アイシス・藤江)争乱の時代に連れ去られ、
そこで出会った美青年(メンフィス王・白鷺城主の信之助)に愛され結婚。
いつしかヒロイン(キャロル・千世)も、彼の熱情に応え、愛するように。
困惑しつつも、その時代で生きていこうと決心する。
しかし、彼女に嫉妬する女性(アイシス・多重)一派に命を狙われ、
城から落とされ、川に流されて、現代に戻る。
ところが、再び過去に連れ戻され、愛を育むものの、敵に拉致される。
その敵は、ヒーローの政敵(イズミル王子など・鉄太郎)で、戦に発展し、
武勇に秀でた夫(メンフィス王・信之助)に救出される。
『まぼろしの花嫁』は長編ではないため、死を覚悟した信之助により促され、
千世は藤江に導かれて現代に戻り、信之助の生まれ変わりと出会う。

両者のスケール感には大きな差がありますが、
何よりも、ヒロインのポジティヴな生き方が共通していると思います。
ちがうのは、千世がふつうの15歳の少女であるのに対して、
キャロルは考古学の知識と好奇心をもつ、という点。
その叡知でメンフィスを守り、闘うのです。
よく比較される、篠原千絵『天は赤い河のほとり』のユーリとも異なります。

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