『おちくぼ』(5)

さて、山内直美『おちくぼ』第5巻(白泉社、2018年)を読了しました。
継母の策略によって、典薬助が落窪の姫君の部屋に。
何とか難を逃れたものの、少将に相談しようにも惟成が到着しない。
それにしても、少将の愛情を得て、落窪の姫君は強くなった(嘘もうまく)。
あこきの機転で、典薬助の後朝の文のふりをして、少将の手紙を受け取った。
前日の落窪の姫君の手紙が届く前に書かれた、少将の手紙。
そして、翌日の加茂の臨時の祭りに、婿君となる予定の蔵人の少将が舞うため、
家族で見物に出かけることになり、邸内は慌ただしくなってくる。
油断したのか、落窪の姫君の部屋の見張りもいなくなる。
部屋の内と外で、今夜こそ典薬助を部屋に入れまいと策を練るものの……。
いい衣装を着ようとして薄着だった典薬助は、お腹を壊して退散。

 わたくしも一生懸命 中から扉をおさえていたけれど とても不安だったの

少将が明日はきっと救い出してくれる、と励ますあこき。
いつも自分に自信がなく、消極的だった落窪の姫君が自分の身を守るように。
祭りの当日、中納言一家が出発したのを見計らって、少将と惟成らがやってくる。
その手際のよさに、あこきは、少将や惟成を見直す。
中に荷物を積んで閉ざした扉を外から破って、少将が落窪の姫君の前に!
見事に救出された落窪の姫君は、少将の二条の邸に。

 あの男の身分がよしんば高くても
 落窪のような後見のない娘に本気になるものか
 いずれは捨てられ 野垂れ死ぬのがせいぜいだろうに!

恐ろしい継母の悔しさはさぞ……、後見のない女を愛するのがヒーローなのだ。
落窪の姫君の相手の素性を知らぬ継母は、四の君と少将の縁談を進める。
それを機に継母に復讐をしたいと思案する少将は、従兄弟の基教を利用する。
縁談を断りに行ってほしいと頼まれた基教は、四の君の部屋に通され?
無事に二条の邸に引き取られ、得意の縫い物や高い趣味を発揮し、
少将の北の方として采配をふるう落窪の姫君は、幸せそう。
まさにシンデレラ・ストーリー、しかし、継母に対する復讐はこれからです。

Tag:少女漫画 

『ちはやふる』(37)

末次由紀『ちはやふる』第37巻(講談社、2018年)、読了しました。
名人・クイーン戦の東日本予選、準決勝。
千早は富士崎かるた会の理音、太一は須藤と対決ですが、絶体絶命だけど。
須藤は、太一の向こうに周防名人を見ている。
「『大事にしない』という方法でしか なにかを大事にできない」
それが周防名人、須藤は、強い周防名人に辞めてほしくないと思う。
そして、「ちはや」の札で、太一が勝った。
運命戦になり、千早と田丸が勝利、瑞沢高校かるた部同士の決勝に。
千早や新のいるところに行きたい、と涙する太一と、決勝戦を争うのは原田先生。

 私の前に立ちはだかるのか こんな美しい壁が
 手かげんしないよ 金木犀の香りの 私の好敵手

勝ったのは、千早と太一……。
勝ったら一生、競技かるたを辞めない約束は有効だ、と須藤は言う。
袴を仕立てる太一の一方で、千早は桜沢先生経由で猪熊を相手に練習する。

 詩暢ちゃんに勝つくらいに強くなりたくて

千早が見ているのはクイーン戦であって、東西挑戦者決定戦ではない。
太一もまた、新に勝ち、周防名人と戦うことを想定している。

 会って そして 行くんだ その先へ
 (末次由紀『ちはやふる』第37巻/講談社、2018年)

突っ走る真っ赤なスポーツカーの千早を描きつつ、身体が衰えることも。
結婚、出産して、育児する猪熊の変化、認知症を発症した新の生前の祖父。
やって来た東西挑戦者決定戦、太一は髪を短く切って臨戦態勢。
そうか、新は東京の大学を受験したということは、高校卒業の後も続く?
かるたしかない、と芸能活動まで頑張ってプロになろうとする詩暢ちゃんは?

余談1
朝ドラでは、脇役により関心が向くことはままあり、それも魅力の1つ。
ヒロインの一代記であるとともに、その周囲の人の生き様も見ているのだから。
「わろてんか」で言えば、風太やおトキ、伊能さん、そして、リリコ。
てんの笑顔と対になっていたのは、素直になれない、仏頂面のリリコだった。
笑顔はなくても、女優としても売れっ子になるリリコの美貌。
親がなく、字も楽譜も読めない、藤吉への愛は家族愛みたいだったけれど、
美しいリリコが好きになったのは、不器用で(美男子でもない)四郎。
芸人であることを捨てて、普通の暮らしを選んで、上海に旅立つことを決めた。
最初は、モデルになった女芸人、ミス・ワカナのことも知らなかったので、
もしかして孤独な者どうしで伊能さんと、とも思っていましたが。
引き抜きは許さなくても、次の夢を目指しての旅立ちなら、社員として送り出す。
上海か、これから戦争に突入していったときに、リリコと四郎は?
このままフェイドアウトしないといいなあ、と願います。

余談2
「日本人のおなまえ」で、憧れる名字4位だった「伊集院」。
40~50代では1位、その原因と思われるのは『はいからさんが通る』の伊集院。
大和和紀先生は、「そもそも伊集院という名前は
三島由紀夫さんの『春の雪』という作品に出てくる登場人物から取りました。
なので 私もなぜか憧れてしまった1人で、「とてもいい名前の響きだ」と思い、
いつか自分の作品にも使わせていただこうと思っていました。
この主人公の紅緒は、大正時代に新しい考え方をする女子で、
相手は男優位の考え方をする九州男児がいいと思い、伊集院という名字が
九州出身と知っていたので、付けました」。
そういえば、伊集院家のおじいさまが最初すごく男尊女卑で頑固者。

余談3
今井遥さんが、3月3日のイベントをもって現役引退することを表明。
スピードのある滑り、たおやかで可憐な、品のある演技が印象的でした。

Tag:少女漫画 

『ちはやふる』(36)

末次由紀『ちはやふる』第36巻(講談社、2017年)、とても遅ればせながら読了。
実写映画の公開も間近、アニメの続編も決まり、少女漫画にしては長編に。
どこまで描く予定なのだろう、千早の高校卒業が転機かな。

名人・クイーン戦の東日本予選、準決勝。
千早は富士崎かるた会の理音、須藤は太一と対決です。
須藤と太一は、「先に負けたほうが競技かるたを辞める」ことに?
太一は、「須藤さんは かるたを辞めるなんて うそでも言えないくらい 
この世界が好きなんですよね」とプレッシャーをかけるものの、須藤は、
「おまえは周防さんじゃねえ」と思い、「勝ったら競技かるたを一生やる」と提案。

 いつ辞めてもいいとか思ってやってんだろ 伝わってくんだよ
 周防さんもおまえも かるたを好きじゃない
 首を絞めにきたその手で 自分の首も絞めろ
 (末次由紀『ちはやふる』第36巻/講談社、2017年)

千早は、同じ塲に太一がいることで安心する。
太一は、「ちは」を狙わず、「真っ向勝負はしない」「周防さん仕込み」のかるたを。
一方で、西日本の予選では、新が順調に勝ち上がり、決勝へ。
そうか、理音の祖母、読手の保阪今日子はクイーン位を8期も務めた大クイーン。
耳のいい理音を相手に、千早は「より厳しい聞き分けの勝負」を挑む。
理音もまた、はじめて「強い気持ちで押す」かるたをする。
須藤は、太一と千早のかるたが「どこかで繋がってる」ことが弱点だと感じる。
新の相手が、かるたの札を作っている小石川というのも面白い。
決勝戦で争った、その札は、長谷川の失敗作だった。
ポジティヴモンスターと化した小石川に苦戦する新は、太一の面影を見る。
しかし、太一の面影を認めたからか、自分のかるたを取り戻す新。
勝った新は、「かるたの中にある膨大な過去を 未来に持っていく男」?
危ない太一、千早は、新が西日本代表になったと知って覚醒する。
新の待っているところにたどり着くためには、自分の「絶対量」で運を引き寄せる。

Tag:少女漫画 

『おちくぼ』(4)

遅ればせながら、山内直美『おちくぼ』第4巻(白泉社、2017年)を読了。
継母が姫君の部屋に乱入、という波乱のスタート。
縫い物の仕事が進んでいないことに怒られつつ、少将の文のことでないと安堵。
几帳の後ろに隠れていた少将は、無礼で乱暴な継母の態度に激怒する。
そして、実父までもが「落窪の君」を叱るのを聞いて驚く。

 ……わたくしが 「落窪の君」などと呼ばれて蔑まれていることが
 少将さまに知られてしまった…
 実のお父さまからも軽んじられている様子をご覧になって
 少将さまはどんなに呆れられたことでしょう
 このまま はかなくなってしまえたらよいのに…!

少将は、それほどに嘆く姫君に「わたしにあなたをお守りさせてください」。

 あなたはそのように貶められていいような方ではありませんよ!

継母が名付け、実父までもが蔑んでよぶ「落窪の君」という呼称を否定する。
継母から遣わされた、監視役の手伝いである少納言は、姫君に同情。
継母の娘、三の君に続いて四の君にも縁談があり、相手は少将だと告げる。
また隠れていた少将は、断わったはずだと焦ってしまう。
少納言は、姫君も交野の少将と結婚すればいい、と提案する。

 わたしの従姉妹が交野の少将さまにお仕えしていて
 お会いした折りに このお邸の姫さま方のことをお尋ねになられたので
 姫さまのこともお話ししたところ
   継母にいじめられている美しく高貴な姫か
   ぜひわたしがお世話などしたいものだ
 と おっしゃられて お文の取り次ぎを頼まれておりましたの
 もちろん姫さまのご意向を伺ってからとお返事いたしましたよ

少納言曰く、交野の少将は「右近少将さまにも劣らぬお方」であるらしい。
少将が言うにも、「毎回 宮中の『抱かれたい男』上位にランクイン」。
しかし、大変な色好みであるというのは、さすがに「交野の少将」というところ。
少将は、自分の誠実さをわかってほしいと裁縫を手伝う。
その様子を見てしまった、継母は……。

 落窪に通う相手は 帯刀の惟成だと思っていたのに
 帯刀どころか 三の君の婿の蔵人の少将にも劣らぬ身分のようじゃないか…

策略を巡らす継母は、姫君を不幸にするために良い手を思いつく。
一方、姫君を「落窪」から救い出すことを誓い、少将は(笛を残して)帰宅。

 大切な人たちの言葉に耳を傾けもせず 自分を卑下していたなんて
 わたくしはなんとひねた心を持つようになってしまったのか…!

実母の愛情を思い出した姫君は、少将の求婚を受けようと思う。
自分の思いが姫君に届いたことが、あこきも嬉しい。
また、継母は、好き者の伯父である典薬助を誘い出し……。
姫君が帯刀の惟成と通じていたとして、姫君を連れて行ってしまう。
父の中納言にも信じてもらえず、美しい衣装を取られ、閉じ込められた姫君。
どこに閉じ込められたのかもわからない、少将やあこきのところに、
三郎君が泣きじゃくってやってきて、突破口が。
しかし、あこきは、典薬助から北の方の企みを知り、驚愕。

 北の方が落窪の君をわしにくださると言ったのだ
 わしは あまえの姫の婿君になるのだぞ? さあ敬え

三郎君の活躍で少将の文を読み、針で紙に穴をあけて和歌を認める姫君。
継母はそこに典薬助を招き入れ、姫君は抵抗を誓うけれど?
今回は、自分が幸せだと寛容になれる、と少将が言っていたのが印象的でした。

Tag:少女漫画 

『とりかえ・ばや』(13)

さて、さいとうちほ『とりかえ・ばや』第13巻(小学館、2018年)を読了しました。
吉野の宮は、睡蓮が鞍馬山から持ちかえってきた銀覚の呪いの証を使い、
呪詛返しを行うことにし、深い眠りに落ちてしまった。
そして、幻覚は梅壺の女御をも襲い、沙羅双樹が反撃するものの、
内裏に火の手があがり、沙羅双樹は男装の姿になり、帝を避難させようとする。
そこにまた、本物の睡蓮が颯爽と現れた。
避難する帝の輿までが襲われそうになり、そこで沙羅双樹と睡蓮が遭遇。

 私から離れること許さぬと 何度も申した
 そなたたちが男の形をしようと 女の形をしようと 
 中は沙羅双樹と睡蓮であり それこそが尊い
 そなたたちは 私の宝ぞ

駆け付けた右大臣に、帝は、沙羅双樹を「今日より私の女御にする」と宣言する。

 そなたたちの呪いは 解かれたのだ

紫宸殿は焼けたものの、内裏は鎮火し、沙羅双樹は帝の妃となって……。
沙羅双樹は、かつて赤子を生み、死なせてしまった過去も打ち明ける。

 三瀬川 のちの逢瀬は知らねども 来ん世をかねて契りつるかな

今世では叶わなくとも、来世ではきっと、私と三瀬川を渡りましょう……。
略式ながら婚儀を整えた沙羅双樹には、女御宣下が下される。
吉野の宮も目覚め、やがて沙羅双樹の懐妊がわかる。
帝は内裏に戻り、沙羅双樹の容態が急変するが、無事に男御子を出産。

 上様… 若君が生まれる時 上様の夢を見ました
 溺れそうになった私を 上様が背におぶって 三途の川を渡ってゆくのです
 驚いたことに 私は黄泉の世界に行くこともなく目覚め 若君を産みました
 不思議な夢でした…

 私も同じ時に同じ夢を見た
 この御子は神仏よりの申し子 東宮にふさわしい
 そして そなたはその母ーー 中宮にふさわしい
 (さいとうちほ『とりかえ・ばや』第13巻/小学館、2018年)

帝はまた、出世した睡蓮と一の姫宮の婚儀を許すことに。
めでたし、めでたし、石蕗だけがわけがわからずに混乱しています。
原作『とりかへばや物語』は、氷室冴子『ざ・ちぇんじ!』(1983年)で読者を増やし、
また、この少女漫画の新たな名作によって、新たな生命を吹き込まれました。

余談
「わろてんか」、結局マーチンショウの場面ないままに大成功ということに?
リリコは四郎とラブラブになったけれど、伊能さんの孤独はそのまま。
(……と思っていた矢先に、中の人の熱愛報道が。)
五輪の影でオランダで開催されていた、チャレンジカップの女子シングルで、
樋口新葉が優勝、本郷理華が2位、本田真凛が3位と、日本選手が表彰台独占。

Tag:少女漫画 

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