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降っても晴れても

『ケータイ小説は文学か』

生徒の読書ノートをチェックしていると、ケータイ小説はやはり多い。
感想のほとんどは、ほかの本とちがってどんどん読めた、感動した、と。
ただし、学校では一応、ケータイ小説は認めていないのです。
リクエストは多数寄せられるそうですが、学校図書館にもありません。
でも、本書の立場はあえて、「ケータイ文学肯定論」。
「ポスト=ポスト・モダン」という、新境地を見出そうとする試みです。

ケータイ小説は文学か (ちくまプリマー新書 85)ケータイ小説は文学か (ちくまプリマー新書 85)
(2008/06)
石原 千秋

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私は、ケータイ小説を読んでいるわけではないので、立場保留(?)。
しかし、紹介されているケータイ小説のあらすじは、なんとも刺激的でした。
ジェットコースタードラマもびっくりの展開の早さ、パターン化、記号性。
「文学」かどうか、生徒にふさわしいか、はともかく、その「話型」は興味深い。

ここで問題になっている「リアリティ」については、生徒も気にしていて、
書かれている話が実際にあったことかどうか、最大の関心事でもあります。
漱石の『こころ』がフィクションであるとわかると、途端に興味を失います。
それにしても、ケータイ小説が実話とすれば、日本は大変な国……。

ケータイ小説というのは、少女性に価値を置き、商品化してきた文化ゆえ。
東京ではなく、地方で売り上げを伸ばした、というのもおもしろい。
雑多な都会に対するあこがれと怖れが綯い交ぜになった、物語世界なのだ。

とはいえ、本書によると、ケータイ小説の流行はもう過ぎているとか。
ケータイにはワンセグ機能がついて、時代は変遷していくのか。

『女学校と女学生』

現在でも、女子校や女子大は、特殊な場所ではあると思います。
ただその中にすっかり安住してしまうと、もうそれがごく普通の世界に。
明治の女学校に関しても、実は以前から興味があるのです。
女子教育を先導してきた女学校を前身とする伝統校が、私の母校です。
前にも書いたように、「紅緒」の後輩であり、「万里子」の後輩だから。

女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書 1884)女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書 1884)
(2007/02)
稲垣 恭子

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少女小説の流行、ミッション女学校のあり方など、興味深い内容ばかり。
とりわけ、女学校という共同体における特異な関係として「エス」がおもしろい。
「シスターフッド」の頭文字を取った「エス」は、「ロマンティックな姉妹関係」。
たいていは「手紙」から、その関係が始まるのだそうで、文通したり。
異性への思いとは微妙にちがい、その手紙にも、憧れや思いやりが見える。
女学校によっては呼び方が異なり、「ご親友」とか「おハイカラ」、「オネツ」とか。
こうした関係性は、少女雑誌や少女小説に登場した、「女学生文化」。
いわば結婚前の、身体をともなわない、「清い」「慈しみ会う」関係なわけです。

学部時代、おしゃべりの多かった女子大生に、年配の講師の先生が、
「○○女子大の学生として恥ずかしくないのか」と怒鳴ったことがありました。
「ここは、○○女子大や○○女子大のような裁縫学校から始まった学校とちがう」
「女子に学問を教えるために開かれた女学校の学生として情けない」と。
私が在学当時は、まだ「ごきげんよう」の挨拶も残っていました。

『はっちゃん日記』6

眠れない夜は、こんな愛らしい「はっちゃん」に癒されています。

hatch!!!!!!はっちゃん日記 6 (6)hatch!!!!!!はっちゃん日記 6 (6)
(2008/06)
八二 一

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こんな一冊に癒しを求めるなんて、そんなに私は病んでいるのか、
それとも、これくらいで少しは気分がまぎれるのだから重症ではないのか。
期末試験も近づいてきて、落ち込んでばかりもいられません。

『おちゃめなふたご』

子どものころに、好んで読んでいたシリーズです。
イギリスの児童小説家イーニッド・ブライトンが書いた作品で、全6冊。
のちにアニメ化もされた、人気の児童文学です。

おちゃめなふたご (ポプラ社文庫―世界の名作文庫)おちゃめなふたご (ポプラ社文庫―世界の名作文庫)
(1982)
エニド ブライトン佐伯 紀美子

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主人公は、パトリシア(パット)とイザベルという双子の姉妹で、
セント・クレアという寄宿学校が舞台となっています。
この寄宿学校という未知の環境に、とても惹かれたことを思い出します。
真夜中にパジャマパーティーをしたり、先生たちを困らせようとしたり。
生き生きと描かれる少女たちの成長が、とても魅力的でした。

眠いのに眠れない病で悶々と夜を過ごしていると、限りなくマイナス思考に。
海より深く落ち込んでいると、ますます眠れなくなっていくのですが、
前向きになれないときは、過去のことをふと思い出します。
そんなときでも、こうして「書く」ことは放棄できないことも自己把握しました。

『優しい音楽』

3つの短編が収められて、気軽に、サクサク読めた一冊です。
短編がうまい、って、きっと本当の実力なのだと思います。

優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1) (双葉文庫 せ 8-1)優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1) (双葉文庫 せ 8-1)
(2008/04/10)
瀬尾 まいこ

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3編とも、一風変わった関係性の中の、不思議に暖かい優しさの物語。
表題作の「優しい音楽」も、もちろんよかったのだけれど、
私は、何といっても、「タイムラグ」に惹かれました。

不倫相手の8歳の娘を預かることになってしまった「深雪」。
無邪気な「佐菜ちゃん」は、きちんとしつけられた、おとなしいいい子。
「佐菜ちゃん」は、「深雪」を天使の「イザベラ」に似ていると言う。
見た目は悪魔でも、ピンチのときにおいしいものを出してくれる天使に。
「佐菜ちゃん」に導かれて、「深雪」は本当に天使になる。
「敵」にちがいなかった奥さんのために、「深雪」は懸命に弁護していた。
「佐菜ちゃんはこんなにしっかりしたいい子に育っています」
「母親であるサツキさんがきちんと育てているからです」
おそらく、「深雪」はもう、時計をもとに戻して、不倫の関係をやめる。
瀬尾まいこの魅力が凝縮された、珠玉の短編です。

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