Beautiful World

降っても晴れても

「しるし」

ドラマ「14才の母」の主題歌、ミスチルの「しるし」
意外にも(?)、彼らのセールスに貢献したのは初めてです。

しるし しるし
Mr.Children (2006/11/15)
トイズファクトリー

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 ダーリンダーリン いろんな顔を持つ君を知ってるよ
 何をして過ごしていたって 思いだして苦しくなるんだ
 カレンダーに記入したいくつもの記念日より
 小刻みに 鮮明に 僕の記憶を埋めつくす
 (Mr.Children「しるし」♪)


この曲のテーマは、愛する人を「記憶する」こと。
「忘れない」って愛かもしれません。

そろそろ、2006年の「記憶」を整理しないといけません。
明日から12月、カレンダーの最後の一枚を、たった今めくりました。

ハチクロ・スピンオフストーリー

完結した『ハチクロ』のスピンオフストーリー第一弾!

コーラス 2007年 01月号 [雑誌] コーラス 2007年 01月号 [雑誌]
(2006/11/28)
集英社

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ずっと「あゆ」を思い続けて、優しく見守っていてくれた「一平さん」。
失恋した浜田山商店街のパン屋さん「一平さん」と、
高円寺商店街でケーキ屋さんを切り盛りする「さくらちゃん」の結婚。
「ハチクロ」の主人公たちは全員が片思い。
それが、この作品の最大の特徴だったわけでしたが、
脇役たちも、切ない片思いを強いられていました。
「一平さん」、かわいいお嫁さんをもらってよかった。
「あゆ」と「野宮さん」も幸せそうで何より。
本編の最終巻から歩き出した、「一平さん」の第一歩です。
スピンオフバージョンでは、みんなが幸せになるのかな。

卒論のシーズン

大学図書館は混雑していました。先週あたりから。
まだ定期試験にも間があるというのに混み合っているのは、
卒業論文の提出が来月半ばに迫っているから。
いよいよ残り半月くらい、ラストスパート。

最近は卒業論文が必須でない大学・学科も多いと聞きますが、
やはり4年間のキャンパスライフの最後にクライマックスは必要。
社会に出てしまったら、あれだけ大量の文章を書く機会はないかも。
卒論を書いてからすでに何年も経って、何本も論文を書いていますが、
私のベースには今も、卒論で扱ったテーマがたゆたっているのです。

最近の私の関心は「浮舟」にありますが、
卒論のテーマ「紫の上」からの延長線上にあるのは確かです。

人物で読む源氏物語 (第20巻) 人物で読む源氏物語 (第20巻)
上原 作和 (2006/11)
勉誠出版

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「人物で読む源氏物語」全20巻が完結しました!

ベストアルバム発売!

デビュー10周年を迎えるスガシカオ。
それを記念して、来年、初のベストアルバムが発売されるとか!
もちろん、あの曲、待望の「春夏秋冬」も入るそうです!
待ちに待ったリリースです。
鬼が笑わない程度に、来年の発売を楽しみにしていたいと思います。

「氷点」

石原さとみ主演のスペシャルドラマ「氷点」を観ました。
過去に何回も映像化されている名作は、「原罪」と「許し」がテーマ。
二夜連続の濃密な、長い時間でした。

キリスト教の思想が色濃く投影された作品。
人に「許す」ことは、人を「憎む」ことよりも余程、難しい。
ヒロインの陽子はあまりに健気な優等生で、物語を支える造型。
でも、彼女は決して、実母を「許す」ことができなかった。
養母は、娘を殺した犯人の娘に、あなたには罪はないと言ったのに。
「いい子」だった陽子が、不貞の末に自分を生んだ母を許せなかった。
物語の前半、「許し」のテーマは養母や養父に担わされているけれど、
後半は、陽子こそが、自分を棄てた母を「許せるのか」と自問自答する。

養母に「許してください」と願った陽子が、母を「許せない」のです。
人間には、どうにもならない、片づけられない感情があって、厄介。
とても今日的な内容と主題であったと思います。

ロシアカップ

グランプリシリーズは5戦目、ロシアカップ。

女子シングル、ショートプログラム6位は恩田美栄。
ジャンプのミスがあったとはいえ、得点が伸びず。
その恩田と奇しくも同点で7位となったのは、元気印の澤田亜紀。
後半に残念な失敗もありましたが、笑顔で楽しそうなのがよかった。

実況のアナウンサーが、チェンジエッジのスパイラルのところで、
「はじめて見た方はバランスを崩したのかなと思われるかもしれない」
と言っていましたが、それは、エッジを上手に乗り換えていないからでしょ。
クワンなら、すぅ〜と自然になめらかに弧を描くから、誰もそう思わない。

さきほどサイトを見たら、すでにフリーが終了。
内容は放送を見るまでわかりませんが、澤田が5位、恩田3位!
サラ・マイヤー選手が初優勝、恩田はフリーだけなら2位、澤田は3位。
ほかの大会に較べて、全体的に点数が低いので、課題は多そう。
恩田美栄は手応えがあったのか、引退を再考することも示唆。
昨年の全日本で気迫の滑りで執念を見せた彼女だから、今後に期待。
ともあれ、日本人選手はすべての大会で表彰台に上がったことになります。

来週は、浅田真央、中野友加里、村主章枝、織田信成の出場するNHK杯。

『フィギュアスケートDays』

トリノ五輪の荒川静香の優勝は、は今年の二月でした。
それ以後のフィギュアスケートブームは、留まることを知らず。
大晦日に(録画とはいえ)アイスショーが放送されるなんて。
各地でイベントが開催され、選手たちも忙しそう。

そして、専門誌『フィギュアスケートDays』が創刊されましたね。

フィギュアスケートDays〈Vol.1〉 フィギュアスケートDays〈Vol.1〉
(2006/11)
DAI‐X出版

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荒川静香の美しいスパイラルが表紙。
内容はやや期待はずれだったような気もしますが、
興味深かったのは、佐藤信夫・久美子コーチのインタビュー。
昨年の全日本選手権、つまり、五輪代表選考会について、
久美子コーチは、こんなふうに。
 
 (中野)友加里ちゃんはかわいそうでしたよね。
 すごく不運だった。あれだけがんばったのに……。
 もちろん(安藤)美姫もすごい選手ですし、
 選ばれた選手を批判するつもりはない。だけど
 その時に良かった人を選んであげて欲しかったなって思います。
 友加里ちゃんも去年の勢いを考えたら、
 オリンピックで良い順位を取れていたかもしれないのに。
 彼女にまた次のチャンスがあるかどうか…… 4年後のことですから、
 次をがんばればいい、とは言えないじゃないですか。
 そう思うとすごくかわいそうです。
 (『フィギュアスケートDays』)


いつもいつも、どの国でも、どんな競技でも、五輪先行は難しい。
何やら色々な利権が動いていたりするように見えたり。
実績のあるミシェル・クワンだって、特別に選ばれて批判もあった。
確かに安藤美姫は、あの挫折があったからこそ、今の好調がある。
決して彼女に能力がないわけではないし、あの挫折は無駄じゃなかった。
でも、たとえ、そうであったとしても、夢を奪われた選手はやりきれない。

一葉忌

本日、11月23日は勤労感謝の日で祝日でしたが、もう一つ、
女流作家の先駆けである、樋口一葉の忌日でもあります。
一葉は、1896(明治29)年の今日、肺結核のため亡くなりました。

24年の生涯の期間に近代文学史に残る作品を残しています。
森鴎外なども、彼女を高く評価していました。
作家生活は、実質14ヶ月でしたが、近代で最初の職業女流作家。
五千円札に採用されてお馴染みの一葉ですが、
その短い生涯が金策に苦しんだものであったというのは、皮肉です。

なっちゃん―樋口一葉ものがたり なっちゃん―樋口一葉ものがたり
たかお かおり (2004/10)
彩図社

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先日、朗読舞台というジャンルを開拓した幸田弘子さんによる、
一葉の不朽の名作『たけくらべ』の朗読を聴く機会がありました。
幸田さんの「源氏語り」は以前に聴いたことがありましたが、
それ以上にすばらしく、生き生きと感情豊かな朗読でした。
幸田さんは、一葉がもっとも好きな作家ということで、
『たけくらべ』の本文はすべて、暗記しているそうです。
身体に記憶されたテキストを、声で表現するのです。

一葉の誕生日は、私と同じ、3月25日。

「14歳の母」

テレビドラマ「14歳の母」を見ました。
見逃した回もあるのですが、やはり気になるドラマ。

今日は二人の母の対決が印象深かった。
子どもでも、自分の人生を決める力がある、と言った未希の母。
親が決めてやらなければ歩けない、と主張した桐ちゃんの母。
そこには、専業主婦と実業家といった境遇のちがいも垣間見えました。
たぶん、どちらが正しいとか間違っているとかではなくて。

妊娠という抜き差しならない状況になったとき、未希は強かった。
ショックを受けつつも、未希の一途さに心を打たれ、出産を応援する父。
そして、桐ちゃんに父親がいないということも大きな問題。
父親を知らない桐ちゃんが、十代で父になる覚悟をもつなんて無理。
前に桐ちゃんは、「男の人が泣くのをはじめて見た」と言っていたけど、
桐ちゃんにとって、未希の父が「父」になってあげられたらいいのに。

ソープ選手の引退

競泳のイアン・ソープ選手(オーストラリア)が、引退を表明しました。
まだ24歳、世界記録保持者の突然の発表。
シドニー、アテネ両五輪で計5個の金メダルを獲得したソープ選手。
競技を続けていくことのモチベーションを維持するのは、
彼の輝かしい実績からして、やはり難しいことなのかもしれません。

 「『水泳がなければ、わたしの人生は何なのか』という疑問がわいた。
 他のことを試さなければならないと思った。
 わたしは次の段階を見ている。
 わたしは、自分が行う最も重要なことを分かっている」。(共同通信)


先日のイリナ・スルツカヤの引退報道は誤報とわかりましたが、
本当に、2006年は「引退」の多い一年となりました。
逆をいえば、さまざまに世代交代の波が押し寄せているということ。
もちろん、競技だけが人生ではなく、ちがう道を模索することは、
一人の人間として成長していくために必要でしょう。
頂点を極めた人の決断と勇気を、私たちは見守らなければなりません。

でも、クワン、あなたの演技を、私はもう一度見たいと思います。

I believe

フランス大会のエキシビション。
こんなふうに放送されることに、やはり感動。

初優勝を飾ったユナ・キムの「リフレクション」(ムーラン)は伸びやか。
今日はいつにもまして、伸びのあるスケートが美しかった。
ミシェル・クワンの後継者は彼女とささやかれているそうですが、
現在、活躍しているスケーターの中では彼女しかいないかもしれません。
彼女はきっと、クワンやほかの選手の演技を見て勉強している。
今回で自信を得たでしょうから、これからの演技に注目です。

安藤美姫は、絢香「I believe」の英語ヴァージョン。
お馴染みのヒット曲ですが、安藤美姫のために英語版をレコーディング。
まったく同じ生年月日で、この曲が支えてくれたとか。
歌詞を口ずさみながら滑っていて、それも納得。
試合用のプログラムよりも優雅に見えました。
でも、世界の人がある程度知っている曲の方がよいのでは?
自分の個性をアピールしやすいと思うのですけれど。
「あの曲を安藤はこんなふうに解釈して演じるんだ」
そういう発見とか感動が、表現力の評価につながるのではないかしら。

井上怜奈・ボールドウィン組、世界選手権でのメダル獲得が楽しみ。
実況を聞いて、改めて驚かされましたが、
伊藤みどりが三回転半を決めて銀メダルを獲得したアルベールビル五輪。
井上怜奈は、中学3年生で出場していたのでしたね。
小山朋昭さんと組んだペアで、14位という成績でした。
病気や困難を乗り越えての息の長い選手。
包容力のあるパートナーとの出会いを本当に祝福したいと思います。

あげひばり

フランス大会、女子フリープログラム。
2006年世界選手権の女王、17歳のキミー・マイズナー、
カナダ大会の覇者、ジョアニー・ロシェットなど、強豪のそろった大会。
それを制し、シニア大会の初優勝を飾ったのは、16歳のユナ・キムでした。
グランプリシリーズの韓国人初制覇という快挙です。
水色のシンプルな衣装をまとって、優雅でなめらかな滑りの「あげひばり」。
転倒もありましたが、プログラム全体をうまくまとめて、文句ない優勝。
彼女をライバルとして戦っていくのは、浅田真央だけではないはず。
ただ気になったのは、ジャンプが5種類そろっていないこと。
カナダ大会の村主章枝もそうでしたが。
ファイナル、世界選手権でどういう構成になっていくのか注目です。

安藤美姫も転倒もあって、結果は2位でしたが、ファイナル進出。
ペアの井上怜奈・ヴォールドインも2位。
アメリカ大会で優勝している二人も、ファイナル進出が決定です。
残すは、来週のロシア大会と再来週のNHK杯。

今回の解説は、伊藤みどり。
これだけ放送枠がふえると、解説・実況も総動員。
いえいえ、見ている方も毎週毎週、週末は忙しくて大変です。
かつては深夜にひっそりと放送されていたのにね、今は堂々ゴールデン。
プロ野球よりも高視聴率を取るようになるなんて、時代も変わりました。

ムーランルージュ

今週は、グランプリシリーズ・フランス大会。

女子シングルのショートプラグラムは、ユナ・キムと安藤美姫の対決。
確かにジャンプの種類、ステップの難度は安藤美姫が上。
それでも、ユナ・キムが僅差で上まわったのは、スケーティング?
氷にしっかりとエッジをのせて、力強く滑っていたように見えました。
16歳の「ムーランルージュ」は幼さの中に妖艶さがのぞいて、妙に魅惑的。
音楽のリズムと動きが、ぴったりとよく合っていました。
華奢なユナ・キムの手足の長さが痛々しげでもあり、優雅でもあり。

4位と出遅れてしまった、アメリカのキミー・マイズナー。
アメリカ大会で着ていた白くてかわいい衣装を空港で紛失したらしく、
やはり動揺や疲労もあったのか、コンビネーションジャンプでミス。
でも、急遽フランスで調達したという黒の衣装も素敵でしたよ。

枯れ葉を踏む

秋を満喫することのないまま、冬が近づいています。
楽しみにしていた紅葉も、見ていないのに。
食欲の秋も、芸術の秋も、読書の秋も、通りすぎてしまいそうです。

この辺りの銀杏は、これから黄色くなるようで、まだ緑。
今年は少し遅いような気がします。
まだまだ秋桜も咲いています。
街にはクリスマスツリーがキラキラと輝いて。
聞いているのもつらいニュースが続く中、季節は足早。

枯れ葉を踏むのが好き。カシャカシャ、パリパリ。
子どもみたいに、わざと落ち葉の上を歩いたりして。
秋を楽しむ、せめてもの……。

あ、秋のもの思いだけは、しっかりと私にも訪れています。

『わたしの、好きな人』

勤務先の女子校では、学校図書館が中学・高校ともに充実しています。
他校の学校司書、司書教諭の方もよく見学に来られているので、
やはり、学校の努力もあって、活発な運動をしているのだと思います。
その成果もあって、生徒の貸し出し数も多いみたい。
国語科や社会科、家庭科などの授業でも、積極的に利用されています。
図書新聞の発行も、必ず月に一回はあって、新刊の紹介が載って面白い。
私も、そこで読みたい本を見つけることがしばしば。
これも、その一冊でした。児童文学です。

わたしの、好きな人 わたしの、好きな人
八束 澄子 (2006/04/15)
講談社

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児童文学の主なテーマといえば、主人公の成長。
主人公・さやかの成長は、父や兄との葛藤や、恋を通して描かれます。
小学6年生のさやかの「好きな人」は、大人の男性・杉田。
12歳とはいえ、恋する気持ちは立派な女で、でも幼くて、妙にリアル。

 食べることって愛情のバロメーターだと思う。
 おいしいものを食べさせたいと思うかどうか、それがまずは最初の第一歩。
 それから自分の分まで食べてもらいたいと思うかどうかが次のステップ。
 わたしは小鳥のように皿のすみっこをつつきながら、
 できるだけ杉田に食べてもらえるよう気を配った。
 (八束澄子『わたしの、好きな人』)


いえ、私は本当に食べきれなくて、よく残しますが。
最近の十代は、こういう児童文学を読んで、恋愛作法を学ぶのですね。
なるほどね、こちらこそ、勉強になりました。

『描かれた源氏物語』

国宝の源氏物語絵巻が復元され、研究も活発になっています。
文学研究と絵画研究の距離は、近年、グッと近くなっているのです。

描かれた源氏物語 描かれた源氏物語
三田村 雅子、河添 房江 他 (2006/10)
翰林書房

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「源氏物語をいま読み解く」シリーズの第一弾です。
表紙になっているのは「蓬生」巻、光源氏が末摘花を訪ねる場面。
復元されてわかった、植物の描かれ方はびっくり。
クローバーやカタバミなどが生えているのがわかります。
細部まで見えるようになると、あたらしい感動があるのです。

匂宮と結婚して上京することになった中の君の、その支度をする女房。
絵巻に描かれた人物には、通常は表情がないのがその特徴ですが、
「引目鉤鼻」の表現法にもかかわらず、かすかに微笑んだ口元が見えます。
宇治を離れることで不安に駆られ、もの思いに沈む女主人とちがい、
上京を中の君の幸福と信じて疑わない女房たちは浮き立っている。
いそいそと準備しながら、つい微笑がもれるのです。
その感情の落差があらわとなりました。

このシリーズ、続刊も楽しみに待ちたいと思います。

シンデレラ

週末の中国大会、女子フリーとEXをようやく鑑賞しました。

中野友加里は2位。日本人選手は絶好調。
でも、本人は決して満足していないでしょう。
「シンデレラ」、バレエの所作なども取り入れて悪くはありませんが、
本人も言っていたように、慌てたシンデレラになってしまいました。
演技直前にアクシデントもあったようで、影響があったかな?
音楽がわりと同じ調子で進んでいくので難しいかも。
まだシーズン序盤。NHK杯までにどう滑り込んでいくか、期待です。
ショートの「「SAYURI」がよかっただけに。

新しいEXプログラムは、マキシムの『クロディーヌ』。
しっとりと柔らかく、定評のあるスピンでは観客からため息も。
昨年の「アメイジング・グレイス」もよかったですが、これもなかなか。
佐藤久美子先生の振り付けということですが、昨年同様、
イーグルなどエッジワークを入れて、コンパルソリー的内容。
その滑らかな表現が、試合よりも本人の魅力を引き出しています。

名古屋でゲット

ついつい、キティちゃんグッズに目がいってしまう私。
名古屋のとあるコンビニで見つけたのは、このボールペンです。
ご当地ものでもないのに、思わず購入しちゃいました。

20061114004151

ウエイトレス姿のキティちゃん、ノックするとお辞儀するんです。

20061114004209

かわいらしいでしょう?
背中から見ると、首に下げ方がちょっとグロテスクなのはご愛敬。
キティちゃん、頬を赤らめていますね。アルバイト?

強行日程で旅行に出てしまったツケで、大忙し。
先週は風邪をこじらせて仕事になりませんでした。今日は徹夜かも。
キティちゃんに癒してもらいつつ、頑張ります。

イルミネーション

昨日から一泊で、京都、大阪、名古屋と旅してきました。

まずは京都府八幡氏の松花堂美術館に。
2002年にできた、こぢんまりとした美術館です。
バスを降りてから道に迷い、雨の中、かなり歩きました。
百人一首の歌留多や屏風、貝合わせなどを堪能。
残念ながら、庭園や、併設の吉兆には立ち寄れませんでした。

午後はすぐに大阪に移動して学会、翌日は名古屋で研究会。
東京のそれとは、やはり雰囲気がちがっています。
いま抱えている課題にもヒントになる発表を拝聴し、夜の新幹線で帰京。

名古屋駅の高島屋前には、クリスマスのイルミネーションが

20061113003820

足早に秋が通りすぎて、年の瀬が駆け足でやってきます。

クワン、米外交特使に

折しも、カップ・オブ・チャイナ開催中に、
久しぶりに届いた、ミシェル・クワンの動向です。

ライス米国務長官は、クワンをアメリカの「外交特使」に任命しました。
アメリカの対外的イメージを向上させることが目的で、
その任務は、「若年世代の文化間対話と米国についての理解の促進」。
今後各国を訪問して、イラク戦争などで広がった、
ブッシュ政権への否定的なイメージ改善に努めるのだそうです。
さっそく、来年はじめには中国を訪問する予定。

中国移民の両親の娘である彼女は、「アメリカンドリーム」の体現者。
自身もフィギュアスケート経験者であるライス長官は、そう紹介しました。
クワンは今、政治学や国際関係を学んでいます。
ライス長官が政治学博士号を取得した、そのデンバー大学で。
二人はともに、マイノリティーのロールモデル。

Michelle Kwan (Sports Superstars Olympic Stars) Michelle Kwan (Sports Superstars Olympic Stars)
Richard Rambeck (1997/09)
Childs World

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アメリカ代表として世界選手権、オリンピックで活躍してきたクワン。
「これまで選手として米国を代表することに誇りを持ってきましたが、
新しい仕事でも、国を代表できる。これは素晴らしいことです。」
国に貢献する人間になることは、両親から教えられた使命でした。

以前、胡錦濤国家主席の歓迎昼食会の際にも、クワンは同席していました。
中国系アメリカ人であるクワンの役割は、日本で考えている以上。
アメリカにとって、対北朝鮮関係から鑑みても、中国は最も重要な国。
中間選挙で大敗した現政権にとって、対外的にも国内的にもイメージ戦略。
でも、弁護士を目指し、政治にも関心のある彼女のチャンス。

クワンがいつもつけている、金の龍のペンダントは、
中国のおばあさまからもらったお守り。

SAYURI

息つく間もなく、グランプリシリーズ・中国大会が開幕。
放送時間を拡大した「報道ステーション」で、女子ショートを観ました。

アメリカのエミリー・ヒューズが暫定1位。
パワーも柔軟性もあるので、ジャンプさえ決まれば、恐い存在?
もう少しタイトな体型になれば、お姉さんより実力派に成長するかも。
黒い衣装で、手堅く「カルメン」を演じ、調子よさそう。
浅田舞は8位、澤田亜紀は4位からのスタート。

そして、暫定2位の中野友加里の「SAYURI」
今季でもっとも楽しみにしていたプログラムです。
アイスショーで和傘を手に滑っていたときからのファン。
映画を観て、男を誘惑するチャン・ツィイーの視線などを学んだとか。

SAYURI SAYURI
チャン・ツィイー (2006/07/05)
ポニーキャニオン

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きりりとした表情に笑顔をまじえて、洗練された動きで魅せてくれました。
目線の行く方や、傘をもったり扇をひらいたりするしぐさ。
スパイラルのときの手のふり、表情、ポジションが美しい。
衣装は赤でくるかと思っていましたが、濃い紫もあでやかで素敵。

トリノ出場はかないませんでしたが、彼女はある意味、
昨季、荒川静香よりも注目を集めた存在だったのでした。
何の努力もなしに、「ガラスの靴」が手に入るわけじゃない。
コーチが止めるほどの練習の鬼だという彼女。
惜しいミスがあって2位でしたが、フリーの「シンデレラ」に期待

ムーラン

BS朝日で録画しておいた、スケートカナダ・エキシビションを観ました。
日本からは、村主章枝・高橋大輔が笑顔で登場。

特に男子シングルは波乱の展開で、終わってみれば、
あれだけ失敗のあったステファン・ランビエールが優勝という結果。
ジャンプ以外の要素で点を稼ぐことのできる実力を証明してくれました。
そのランビエール、エキシビションでも転倒があったり、不調そう。
でも、やっぱり世界チャンピオンは存在感がちがいました。

期待のユナ・キム、「ムーラン」に乗せて優雅な滑り。
動画でしか観たことがありませんが、ミシェル・クワンも滑った曲。
ピンクの衣装も、とてもかわいらしかったです。
今回はミスもありましたが、虎視眈々と上位を狙っているはず。
韓国は、彼女に五輪のメダルを取らせるため、膨大な予算を投入。
大変なプレッシャーだと思いますし、怪我もあったようですが、
お姉さんたちが注目しているのは、真央ちゃんだけではありません。

よかったのは、井上怜奈・ボールドウィン組の「悲しみのマンリー」。
こういう正統派のエキシビションのプログラムがいいです。
この清楚な表現力をもっと評価してあげてほしい!
二人は、プライベートでもパートナー。
何よりも、互いの相手に対するしぐさが優しくて丁寧。
彼女をリフトするときも着氷させるときも、彼は宝物にふれるよう。
「力に加え、相手を思いやる気持ちも持っているからこそ、
こういう演技ができるんでしょうね」と、荒川静香。納得。
今回の大会はポイントにならず、ファイナル進出はまだ未定なのだとか。

女子シングル優勝のジョアニー・ロシェット。
セリーヌ・ディオン「フライ」で、美しく演じてくれました。
長いブロンドの髪をなびかせて、白い衣装もきれい。

さて、次は中国大会。贔屓の中野友加里が登場します。頑張って!

スルツカヤ引退?

*「スルツカヤ引退」の報道は、本人によって否定されました。
 今後の動向は未定のようですが、元気に頑張ってほしいと思います。


共同通信などが報じている、「イリナ・スルツカヤ引退」の記事。
情報が錯綜しているみたいで、誤報の可能性も示唆されているようです。
ロシア語のインタビュー記事の翻訳などを見ると、アマチュア引退後、
プロとしてアイスショーで滑る可能性はなく、解説をするプランもない、
今後はテレビ番組の司会者になりたい、のだとか。
真偽のほどはわかりませんが、スケート界からの完全引退ということ?
病気のことや、家族のことや、理由は想像に難くありませんが。
何より、次の五輪まで4年というのは長すぎる時間です。

スルツカヤは、ジュニア時代からのミシェル・クワンのライバル。
クワンに阻まれて、スルツカヤは、なかなか世界女王になれなかった。
ジャンプ、技術のスルツカヤ。表現力、総合力のクワン。
ツアーなどでともに過ごすことの多い二人は、仲もよくて。
ひとつの時代をともに築き、背負ってきた二人。

スルトレイク五輪の表彰式では、失意の二人が見つめ合って笑う場面も。
「やられちゃったわね。悔しい!」
茶目っ気のある笑顔で、そんな会話をしているように見えました。

ただ一つ、五輪の金メダルだけは縁がなかった二人の女王。
ソルトレイクで銀メダル、トリノで銅メダルのスルツカヤと、
長野で銀メダル、ソルトレイクで銅メダルのクワン。
結婚や進学と両立させ、病気や怪我と闘いながら、滑り続けてきました。
新採点法でもっとも評価されるように転じたのは、スルツカヤ。
それだけに、トリノで金メダルを逃した失意は大きかったでしょう。

中国の申雪・趙宏博のペアも、今季の世界選手権を最後に引退すると表明。
クワンやプルシェンコなど、まだ去就を決めかねている選手もいます。
「オリンピックがすべてじゃない。」
何度も何度も、繰り返し言い続けてきたクワンだから、
進退を決めるのは、やはりもう少し先になると思います。

もしも、この報道が本当ならば、クワンは何を思うでしょうか?

風邪をひきました

ここ数日、風邪をひいてしまって苦しんでいます。
冬に入る前のこの季節、毎年のように苦しむのです。
やるべきことも、なかなか進まないので、とっても困っています。
だいぶ良くなりましたが、鼻はグズグズするし、喉は痛いし。

そういうときは、お腹を壊さない程度に、アイスクリームを食べます。
ふだんはそれほど好んで食べませんが、風邪のときは別。
さっぱりしたバニラ味、無性に食べたくなります。

そういえば、私は牛乳が嫌いで、乳製品もほとんど食べないので、
ときたま食べるアイスクリームは、貴重な栄養源になっているかも。

先日の「泣きながら生きて」は、大変な反響があったようですね。
当ブログもにわかにアクセス数が増えて、驚いています。

レッド・ヴァイオリン

スケートカナダ、男女フリープログラム。

男子、高橋大輔はキャンベルのときと同じく「自爆」。
ショート7位から大逆転のステファン・ランビエールも、ミスが多かった。
長いオリンピックシーズンの後、怪我もあったようです。
王者が王者たりえない、波乱の大会となりました。

女子は、地元カナダのジョアニー・ロシェットが優勝。
ショート1位のユナ・キムは、後半ミスが出てしまって3位。
水色の衣装もよかったし、しなやかな手の動きもよかった。
サラサラと流れる水のような、そんなスケート。
音楽にもよく調和して、音をひろっていたし、上々のシニアデビュー。
2位となった村主章枝……、コメントが難しい。
予告していた「一大プロジェクト」のはずの「現代版シンデレラ」。
試合用というよりも、アイスショー向きのプログラム。
中野友加里の今季のフリーも、「シンデレラ」がテーマですよね……。

そして、ショート11位から挽回した恩田美栄は、総合7位。
TES(総プログラム要素点)の59.15点は、ロシェット選手に次ぐ高い得点。
赤い衣装が新鮮で、よく似合っていた「レッド・ヴァイオリン」。
解説の親友・荒川静香の声がはずむほどの、会心の出来でした。

この曲は、ミシェル・クワンが2000年の世界選手権で優勝したときのもの。
恩田美栄は以前から、クワンの滑ったこの曲で演技したかったのだとか。
同じ川井郁子の演奏かな? 振り付けは同じローリー・ニコル?
クワンのプログラムの中でも、難易度の高かった曲の一つをなぜ?

2000年のクワンの優勝は、ショート3位からの大逆転劇でした。
表彰台で、クワンは涙ぐんでいました。
「『ミシェルの時代はもう終わりだ』と言っている人もいましたから、
ベストな滑りができて、本当にうれしく思っています。」
シーズンを通して不調だったクワンが、その逆境をはねのけて、
最後にリベンジを果たしたのが、「レッド・ヴァイオリン」だったのです。

今季限りの引退も示唆する、恩田美栄の最後のリベンジ。
張りつめた緊迫感と哀愁を奏でた、クワン。
力強く、意思の強さを精一杯に表現した、恩田美栄。
仕上がったプログラムの個性はまったくちがっていましたが、
そこに込められた、スケーターとしてのプライドは、きっと同じ。

ボレロ

アメリカ大会の余韻もおさまらぬうちに、カナダ大会が開幕。

女子ショートプログラムは、韓国のユナ・キムが首位。
真央ちゃんと同じ16歳ですが、ジャンプもステップも正確で優雅。
ミシェル・クワンの「サロメ」が15歳だったことを思えば、
ユナ・キムの大人っぽい演技も不思議ではないのかもしれません。
スタイルにも恵まれている彼女、どんな選手に育っていくのか楽しみ。
アメリカの19歳、スピンの得意なアリッサ・シズニーはまだ未知数。

2位の村主章枝、少なくとも今日の出来では順当かも。
本人も「まだ30%の仕上がり」と言っているように、イマイチ。
「ボレロ」の旋律は、強弱がつきにくくて難しい。
ストイックな彼女のことだから、これから練り上げてくることを期待。
11位の恩田美栄は、ジャンプのミスが痛かった……。
「春の海」の選曲は決して悪くないと思うだけに、残念。

男子のショートプログラムは、高橋大輔がトップ。
アメリカ大会の織田くんに続いて、好発進。
最近は、元全日本チャンピオン・本田武史にも師事しているとか。
何といっても、滑りじたいが美しくなりました。
彼のプログラムも、あのニコライ・モロゾフの作品。

ペアでは、アメリカの井上怜奈・ボールドウィン組が総合2位に。
アメリカ大会で優勝しているから、ファイナル進出決定?
彼女は元祖「和製クワン」で、応援しているのです。

女子は特に、新しい世代の台頭が際立った感じ。
カナダは、次の冬季オリンピック開催国でもありますね。

「泣きながら生きて」

フジテレビ・金曜プレステージ「泣きながら生きて」を観ました。
文化庁芸術祭参加作品という、取材10年間にわたるドキュメンタリー。
カメラで追った主人公が不法就労者で、警察に捕まる恐れがあり、
主人公が母国へ帰り、ようやく放映の運びになったということでした。

上海、東京、ニューヨークと離れて暮らす家族を丹念に追った時間。
時代に、政治に、国に翻弄され、それでもひたむきに生きる家族。
文化大革命の最中に育ち、学びたくても学ぶことのできなかった父は、
妻と娘を上海に残して、娘に教育を受けさせるために日本で働き続ける。
期待に応え、娘はやがて、アメリカの大学に合格。
渡米の途中、トランジットのわずかな時間に8年ぶりに父と娘は再会。
「父は、私を愛しているんです。」
自分のために引き裂かれ、苦労を重ねる父と母のために、娘は諦めない。
必死に勉強し、自立して、医学を学んで産婦人科医になる夢を実現させる。
妻もまた、娘を訪ねる途中で、夫と13年ぶりに再会を果たす。
束の間の再会、涙の別れ。

卒業をひかえて、父はようやく、日本に別れを告げて帰国した。
アメリカの病院でインターンとして働き、生命を救う職に夢をもつ娘。
すっかり老いた夫を迎えるために、お粥をつくって待つ妻。
ドキュメンタリーは、ここで終わっています。

三つの国に別れていても、この家族の絆は固い。
家族を思い、信じ、支えることの理由は、いっしょにいる時間じゃない。
忙しいとか、仕事とか、そんなことをもう言い訳にできない。
とってつけたような、出来合いの親子愛でも、家族愛でもない。

父も母も、娘も、穏やかで、思慮深いまなざしをカメラに向ける。
何かを悟りきったように、澄んだ、まっすぐな瞳に何が映っているのか。
彼らの決して揺らがない決心、覚悟は、どこからくるのか。
わかっているのは、娘が言っていた「希望」によって繋がっていること。

日本を発つとき、飛行機の中で手を合わせて日本に感謝を捧げた父。
独学で日本語を学び、いくつもの資格を取得して仕送りを続けた父に、
日本という国は、何をしてあげられたのでしょうか?
彼らに尊敬される先進国であるはずの日本を、私たちは誇れる?

両親に託されたバトンを、娘はしっかりと受け取り、堂々と生きている。
彼らの未来が幸福でありますように。

デビュー40周年

少女漫画の黄金期を支えた作家の一人、大和和紀はデビュー40周年
現在も活躍する大和和紀のデビューは、1966年「どろぼう天使」でした。
累計1700万部を超えた『あさきゆめみし』は、その代表作。
古典漫画の先駆けであり、源氏ブームの一翼を担い続けています。

あさきゆめみし 源氏物語ナビBOOK あさきゆめみし 源氏物語ナビBOOK
大和 和紀、青木 健 他 (2005/04/12)
講談社

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学習漫画ではなく、質の高い少女漫画として味わってほしい作品。
でも、大和和紀の魅力を知るには、『あさきゆめみし』だけでは足りない

大和和紀には、『はいからさんが通る』『ヨコハマ物語』や、
『菩提樹』『天の果て地の限り』『NY小町』などなど、名作がズラリ。
質の高い画力はもちろん、エンターテイメント性の高い作風で、
アニメ化、ドラマ・映画化、舞台化などメディアミックスも多い。
彼女の描くストーリーの構成は、少女の成長を描く少女漫画の王道。
ひたむきで真っ直ぐなヒロインに共感し、感情移入し、読者も成長する。
朝ドラになりそうなオーソドックスな展開の中に、
明るく前向きな少女が恋をし、仕事をし、生きていく姿が描かれる安心感。

私がはじめて読んだ少女漫画は、『はいからさんが通る』でした。
実は私、紅緒の後輩でもあり、『ヨコハマ物語』の万里子の後輩でもある。
ウフフ、それがひそかな自慢なのです。

ジュニア小説『あさきゆめみし』

大和和紀『あさきゆめみし』が、ジュニア向け小説に翻案されました。
もちろん、表紙イラスト・挿絵は、大和和紀の漫画です。
文章を書いている時海結以さんは、ライトノベルの作家さん。

あさきゆめみし(1) あさきゆめみし(1)
大和 和紀、時海 結以 他 (2006/10/14)
講談社

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漫画にあったセリフをそのまま引用した部分もありつつ、
子どもが読んでもわかりやすく、説明のついた文章にもなっています。

光源氏の母・桐壺の更衣は、繰り返し「少女」と呼称され、
「月読の君」(実は桐壺帝)は、彼女に言うのです。

 「わたしは月なのだ。自分では光らない月。
 時刻に支配されて昇ったり沈んだり、
 好き勝手に天からにげだすことがかなわない。
 わたしも、父にそういう定めを、あたえられた。」
 (青い鳥文庫『あさきゆめみし1』)


貴族社会のいわば犠牲者として共鳴する、桐壺帝と桐壺の更衣の恋。
漫画よりも、そういう面が強調されているように思いました。
そして、幼い光源氏に、桐壺の更衣は願いをこめて息絶えます。

 (どうか、わたくしのように、ぼうやも、
 たったひとつのかけがえのない愛に、出逢えますように……。)


光源氏は、「たったひとつのかけがえのない愛」に出逢えたのでしょうか?
夕顔の死に、光源氏はふと思います。

 (わたしのことをだれよりも好きなら、
 この世をあきらめずに、物の怪にあらがってくれたのでは……。
 わたしよりも、かなわなかった過去の恋が……たいせつで……。
 名も告げぬまま逝ってしまった、やさしい人。)

 (夕顔の君……わたしたちは似た者どうしだったのだ。
 とどかぬ人を忘れようとして、手でふれられる恋をさがしていた。
 わたしたちはよく似たさびしがりの、彷徨人だった。
 あなたも『たったひとつのかげがえのない愛』を、ほしがっていたのか?
 だれもがほしがっているのか?
 ……だとしたら、あたえ、包んでくれる人はどこに……。)


二人とも、思う人に手の届かない悲しさを抱え、それを埋めるために、
手のふれることのできる相手に身を委ねている、あやにくな恋のかたち。
青い鳥文庫でも、やはり源氏物語の愛の世界はムズカシイ……。

源氏物語が少女漫画になり、その少女漫画が小説化される。
青い鳥文庫には、すでに『源氏物語』も入っています。
この小説は、『源氏物語』であって、『源氏物語』ではない?
源氏文化のあり方が複雑で、ベクトルが単純ではありませんね。

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