2010
02.28

浅田真央のチャレンジ

今日はエキシビション、試合の緊張感から解き放たれた笑顔に、こちらも安堵。
浅田真央の「カプリース」も、キム・ヨナの「タイスの瞑想曲」もちょっとお疲れ気味。
しかし、今日も、2人の個性は対照的だったように感じられました。
安藤美姫の「レクイエム」、高橋大輔の「ラヴレター」も、見応え十分。
次のソチ五輪に優勝候補として出てくるかもしれない、16歳のミライ・ナガスの姿も。

解説の八木沼純子さんも言っていたように、浅田真央の「カプリース」は試合で見たい!
明るさと勝ち気さ、キレのある動き、浅田真央ならではの個性が生かされている。
表現の難しかった「鐘」ではなく、「カプリース」だったら、とひそかに思っていたのです。
でも、「カプリース」は当初はSP用に用意したものの、しっくりいかなかったとか。

「鐘」という難曲を「乗り越える」ことが、今季の浅田真央のテーマでした。
シーズン序盤は曲に負けていた印象を払拭して、五輪では、以前と比べられない気迫で表現。
幻になってしまった、タラソワコーチ振り付けのミシェル・クワンの「鐘」も見たい。

そして、長野五輪のミシェル・クワンを、ふと思い出しています。
長野五輪でミシェル・クワンがFPに選んだ曲は、「ライラ・アンジェリカ」。
世界女王になった「サロメ」、インドの王女を演じた「タージマハル」よりも印象は薄かった。
ヒロインを演じるのではなく、「本当の自分を見てほしかった」と語っていました。
タラ・リピンスキーに負けたことと選曲について、五十嵐文男さんは、
「音楽に凝りすぎたんじゃないか」と指摘し、観客を巻きこみにくかったと指摘しながらも、
「彼女にとって素晴らしいステップになったんじゃないかという気がする」と、
白石和己『五十嵐文男の華麗なるフィギュアスケート』(新書館、1998年)で述べています。
浅田真央にとっても、従来のイメージとは真逆な音楽を選んだことは、「素晴らしいステップ」。
等身大の自分を演じる、という意味では、キム・ヨナの「ガーシュイン」も挑戦でした。

今、浅田真央に贈る言葉があるとすれば、長野五輪後のミシェル・クワンの言葉。

 私にとってチャンピオンとは、負けない人のことではありません。
 チャンピオンとは、再び勝ち抜いて来られる人、そしてハートを持っている人のことです。

4年後へのカウントダウンは、もう始まっています。
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