2011
03.31

年度末

Category: 日記
大震災に遭い、悲しみに覆われた3月が終わり、明日から新年度が始まります。
被災地では、泥だらけの中から発見された卒業証書が生徒たちの手に渡されていました。
自宅や避難所を回り、一人ひとりに卒業証書を授与した校長先生もいます。
こういうときだからこそ、人生の節目となる卒業を祝って、勇気づけてあげたい……。
その一方で、首都圏の私立中学、大学では、卒業式が中止されてしまいました。
入学式の中止、大学の授業開始時期の変更など、混乱、余波が続きます。

本日、3月31日「朝日新聞」朝刊に、瀬戸内寂聴さんが寄稿していました。

 古い日本の文学をかえりみると、千年前に書かれた「源氏物語」にも、
 光源氏が須磨に流離した時に遭った暴風の恐怖を、迫真の筆で捕らえ、
 人々の逃げ迷う様も写実的に描かれている。
 翌朝、嵐をついて迎えにきた明石の入道に伴われ、明石に移ってから、
 源氏の新しい運命が開ける。
 またそれより後に書かれた鎌倉時代終わりの「方丈記」には、
 著者の鴨長明が経験した都の大火、大地震、大風、悲惨な飢饉などの様が、
 フィクションではなく、現実の経験の回想として克明に描写されている。
 紫式部は嵐の恐怖の一夜を、どん底に落ちた運命から
 光源氏の立ち直る転換の動機に使っているが、「方丈記」では、
 自然の災害の恐怖を人の世の無常として捕らえている。
 そのどちらも人生の真実であろう。
   *  *  *
 私は「無常」を、この世のはかなさを示す語と考えず、
 「この世は常ならず」と自分流に判断してきた。
 この世では同じ状態は決して続かない。
 卒寿を迎えるまで生きた私の経験と実感がそれを私に植えつけた。
 私の「無常観」によれば、現在のこの世の地獄も、必ずどん底からの反動として、
 今に立ち上がり、希望の見える世の中に変わると信じて疑わないのである。
 (3月31日「朝日新聞」朝刊「どん底は続かない ニッポンみんなで」一部抜粋)

法衣姿の出家者に諭されると、ああ、そうかもしれない、と思う。
何に希望を見出したらいいのかもわからないときに、宗教は、やはり意味をもつのかもしれない。

年度末、父は定年退職を迎え、部屋はお祝いで頂いたお花でいっぱいです。


父は明日から新しい職場、新年度が始まります。私も忙しくなりそう……。

被災地が一日でも早く復興しますように、お祈り申し上げます。
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