2013
07.31

EXナンバーは自身で振付

さて、町田樹は読書家として知られますが、新EXナンバーは「白夜行」。
テレビドラマ「白夜行」の、「白夜を行く」という挿入曲です。
「主人公・桐原亮司の心情を存分に表すには自分自身で振り付けるしかない」
私は、東野圭吾の原作は未読ですが、テレビドラマは観ました。
ヒロインを守るためならば罪も犯す、桐原亮司の一途な使命感が悲しかった。

 「自分のフィーリングとイメージを言語化して伝えることによって
 生まれるズレを避けたかった」と自作を決心。
 振り付けだけではなく、音響、照明、
 衣装のデザインまで一つのパッケージとしてつくり上げた。
 「衣装のブルーの部分は原作全体のイメージ、
 左手首の赤の部分は血を表現した。
 左だけにしたのは右側にはまだ良心が残っていることを意味している。
 そうすることで、悪と良心のはざまの葛藤を表したかった」
 「作品のテーマは自己犠牲」。
 重い主題を根幹に置きながら、実際に見るこのプログラムは物悲しくも美しい。
 町田の感性、それがそのまま心の琴線に触れるような作品に仕上がっている。
 「演技の最後は氷に横たわって終わる。
 つまり、死を表現しているが、観客には絶望の中にも光を感じてもらいたい。
 原作の既読、未読にかかわらず、世界観に浸ってもらえたらうれしい」
 とは芸術家としての言葉だ。
 「白夜行」を演じることは、特別の苦労があるという。
 「パフォーマーとしての自分と、
 総合監督としての自分が同居しないと成り立たない。
 そういうところにほかとは違う難しさがある」
 しかし、だからこそ得られるものもある。
 「自分の全力を注いだ作品なので、観客の拍手が本当にうれしい。
 『白夜行』に関してはむしろ、
 パフォーマーとしての自分よりもアートの部分、
 その芸術性を褒めてもらえるほうがうれしいですね」
 (2013年7月24日「大阪日日新聞」/「フィギュアスケート企画」)

現役選手では、たとえEXナンバーであっても、自身で振り付けをするのは珍しい?
将来はクリエイターになりたい、とは、以前からの希望でもあります。
そして、この経験や思考は、競技においても役立つにちがいないと確信します。

余談
同志社女子大学は、2015年4月の看護学部看護学科(仮称)設置を計画中。
新島八重は、「日本のナイチンゲール」とも言われます。
新島襄の死後、1890年、44歳のときに日本赤十字社に加盟し、
篤志看護婦人会にも入って、社会奉仕事業に従事。
やがて篤志看護婦人会の看護学修業証を得て、看護学科の助教を務めます。
籠城戦の負傷者の手当て、覚馬の介添え、襄の看病。
新島八重は、戦う女性というだけでなく、看護する女性でもあったのです。
その意味で、同志社女子大学の看護学部が設置されるというのは、
新島八重の遺志を継承した、喜ばしいことと思います。
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