2015
04.30

かるたに興じる山川二葉

Category: 山川家の人々
山川浩の家では、会津出身の書生たちとともに、かるたの会も催されていたよう。
健次郎が預かっている書生も来て、二葉や操子も参加したとか。
八重が新年に同志社の学生たちを招いて、男女混ざってかるたに興じた、
そのことはよく知られていますが、二葉も同じように、
舎監、教員を務めた、東京女子師範学校の女学生とかるた遊びをしていました。
以下は、内海をとめという卒業生の回想です。

 また歌留多トランプ等の遊戯も先生の好みたまひし所にして
 其技もことに勝れさせたまえり
 凡そ遊戯の何たるを問はず其勝敗を爭ふに至りては
 即ち先生の御性質なる熱心を表はしたまひ
 假令敗兆あるも勇氣勃々更に屈したまふ色なく
 却て少壯者を監勵して利運を挽回したまふ事多く興いよいよ深く
 誰も先生と共に遊ばんことを喜びたりき、

二葉も会津の女、八重と同じように、余興とはいえ、勝敗にこだわった様子。
残念ながら、これが会津特有の板かるたであるとはわかりません。
トランプは、捨松も、アメリカ留学時代から好んでいました。

 先生は嚴格におはしゝがまたよく快活におはせり
 會の時などいつも生徒と共にかるた、とらんぷなどせられき
 とらんぷは非常におすきにて又上手におはしき
 いつも組に入り給ひ先生の組の方の旗色悪しきけはひの見ゆるときは
 先生大聲を發して勵まし給ひ其御熱心さ加減一方ならずおはしき
 かるたも亦お上手にて
 讀み役の時には聲張り上げて息をもつかず朗々とよませらる
 其れ故先生のよまるゝ時は非常によみよく皆々勢つきて勝負したりき
 (黒川龍編『山川二葉先生』明治43(1910)年、櫻蔭會)

二葉のかるた、トランプ好きは、斯波安も、このように回顧しています。
読み役のときには、「聲張り上げて息をもつかず朗々と」読んだという二葉。
八重は、「おからだに似合はぬ、やさしい声で」、「高らかに」読み上げたのだとか。
いつもは厳格な、恐い二葉が夢中になって遊ぶ、微笑ましく感じられます。
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