井上秀、アメリカの女子高等教育を批判

井上秀は、ほかの後援者と同様、良妻賢母主義を説きました。
それは、自身が母校で教えられたことでもあります。

 私の在學當時の敎育方針は良妻賢母主義でありました。
 所謂穏健、質實の校風でありました。
 其後女子としての天賦に考へ及ぶ時に
 この學校の敎育方針はいつも大變な力を持つてゐます。
 我々女性は母性愛を持ち、男と違ふ特徴を持つてゐると信じます。
 男女は生理的にも心理的にも異りますが、お互に女性は母である爲、
 後天的にか先天的にか兎に角男子と異つた性能を持つてゐます。
 その異る根本は母性愛を持つてゐるといふ點にあることは
 申す迄もありません。
 
女性は誰でも母性愛を持っている、ということじたい、もはや神話。
井上秀といえど、時代性から自由ではなかったようです。

 私はアメリカの大學で色々友達が出來ましたが
 どうも中には感心の出來ない人もありました。
 男か女か分らぬ様に思はれてなりませんでした。
 それが第一氣に入りませんでした。
 學術的方面より見ては感心はしましたが、
 私の友は中性である様に感ぜられました。
 又夏期講習等の時には非常の年輩者も若き人も大學に研究に出て來ますが
 私共の眼から見れば餘り感心出來ない様な事もありました。
 それは追求すると、アメリカの高等敎育はスタートが女も男も同じく人間である、
 男子の爲す事で女子に出來ぬ等といふ事はないといふ様な
 所謂フェミニズムとも云ふべき見地より女子高等敎育が始まり、
 男の人に肘鐵砲を喰はせる様な勢で進みました。
 女子大學の校長さんの中にはその代表者ともいふべき人も居られました。
 そんな風でアメリカの女子高等敎育は進みましたので
 中性の女子が出來ました。
 私は彼等を批評し諷刺した事もあります。
 (春錦會・鴨沂會『創立六十周年記念誌(昭和7(1932)年)

井上秀は、明治41(1908)年5月から渡米し、コロンビア師範大学や、
シカゴ大学で学び、婦人問題も研究しましたが、
ここで、アメリカの「フェミニズム」的なあり方を批判しているわけです。
現在、こんな主張を女子大学の先生がしたら、大変なバッシングを受けるはず。
日本の女子高等教育の歩みの始まりを、ここに垣間見るような気がします。
日本女子大学校の初期を支えた、たとえば、大岡蔦枝や玉木直は独身でしたが、
井上秀は、入学以前に結婚し、出産しており、それはおそらく、
高等教育を受けても結婚してほしい、と考えていたらしい成瀬仁蔵の理想。
結果的に、井上秀は、学問の道に進み、働き続けながら、
いわゆる良妻賢母主義に背かない生き方をできていたのだ、と思います。  

余談
土曜日から始まった「悦ちゃん」、すごくよかったな、確かに朝ドラっぽい感じも。
この枠は始まって3昨目だけれど、外れがない。
土曜夕方という、肩ひじの張らない枠が功を奏しているのかもしれない。
悦ちゃん役の平尾菜々花さんが演技派で、かわいい。
平尾菜々花さん、「べっぴんさん」のスピンオフ「恋する百貨店」では、
あ、「悦子さま」と小山を結婚させ、今度は、お父さんにお嫁さんを探す。

Tag:女子教育 

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