全米選手権を間近にひかえ、大きなニュースが飛び込んできました。
アメリカの若手選手、アダム・リッポンがモロゾフコーチのもとから離れて、
カナダのブライアン・オーサー氏に師事することに。
もとより、ブライアン・オーサー氏は、あのキム・ヨナの現在のコーチです。
振り付けも、キム・ヨナと同じく、カナダのデビット・ウィルソン氏に依頼するということ。
何より、バンクーバー五輪をにらみ、キム・ヨナの成功例からの判断でしょう。

理由としては、ニコライ・モロゾフ氏と喧嘩別れをしたわけではなく、
ただ、モロゾフ氏はたくさんの選手を抱えており、あまり時間をかけてもらえないこと、
以前は、高橋大輔にジャンプを教えてもらうこともあったが、彼もいないこと、
今季から新しく織田信成、村主章枝が来て、環境が変わったことをあげています。
これらはすべて連動した出来事、なのだと思いますが……。
高橋大輔がまず去ったことが、モロゾフ氏にとっては大きな痛手だったのでは。
織田信成がモロゾフ氏に師事するようになったこと、高橋大輔を失ったこと、
それらが本当はどのように関わっているのか、ちょっとわからない。
信頼関係が崩れてしまったことは確かですし、
織田信成の件がなくても、高橋大輔は決断していたかも、と感じるのです。
高橋大輔も、自分に多くの時間を割いてもらえない、ということは理由にしていました。
次々に選手を抱え込む、そうしたやり方に、アダム・リッポンは反発したのかも。

モロゾフチームには、全日本選手権で新人賞を受賞した、村上大介もいます。
「フィギュアスケート日本女子ファンブック2009」でも、モロゾフチームの仲の良さは、
安藤美姫や村主章枝が、ことさら饒舌に語っていました。
でも、実はそうした時間にも、水面下では不協和音、変化があった、という事実。

それに、モロゾフ氏のプログラムは、以前ほど評価されていない印象。
スポーツだから当然とはいえ、勝ちにねらいを定めた、ジャンプの跳びやすい内容。
ファンも、ジャッジも、あまりに量産されるそんなプログラムに食傷ぎみかも。
策士としての手腕は、もちろん、優れているわけですが……。
それでも、彼の世界をもっとも芸術的に、アグレッシブに表現していたのが高橋大輔。
モロゾフチームに起こっている瓦解の始まりは、高橋大輔の喪失でした。
アダム・リッポンの今回の決断も、モロゾフ氏の高橋大輔への扱いゆえではないか。

アメリカ男子には、ジョニー・ウィアー、エヴァン・ライサチェック、ジェレミー・アボット、
ライアン・ブラッドリーなどがいて、代表争いは激戦です。
ジェレミー・アボットのグランプリファイナル優勝が、起爆剤になったでしょうか。
19歳のアダム・リッポン、彼らと戦うために、大きな決断をしました。
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