壽代=久栄の「茶色の眼」

徳冨蘆花「黒い眼と茶色の目」、壽代=久栄はぐんと大人びた雰囲気です。

 壽代さんも土曜日毎にはきつとやつて來た。
 今年數へ年の十七になつた壽代さんは、木屋町時代より身長もずつと伸び、
 一體に肉づいて、小さな渦の入る顋、肩のあたり、
 ぽちやぽちやした手の甲まで軟らかな團みを帯びて來た。
 其茶色の眼は睫(まつげ)の下にうつとりと眠るかと思へば、
 とろとろと人を溶(とろ)かす媚を含み、
 また倏(たちま)ち睫を蹴つて電(いなづま)の様に光つた。
 淡褐色の頬に時々秋桃の様な紅潮が上つた。
 薄い唇が紅をさした様になる時もあつた。
 前髪を眼の上まで剪(き)り下げて、水色のリボンを髷(ね)にかけ、
 いつも藍の勝つた紫の袴をつけて、半靴をはいて來た。
 紫の袴は此期から女學校に行はれて、日曜の説敎や月々の雄辯會日に
 協志社の禮拜堂への往復に美しい色を咲かせた。

「茶色の眼」をした壽代=久栄の容貌が、ここで詳しく描写されています。
敬二=徳冨蘆花は、壽代=久栄の「媚」や「電」「紅潮」を観察しているのです。
紫色の袴は、跡見女学校が知られますが、同志社女学校でも。
女学生らしく、頭には(水色の)リボンをつけていたらしい。

 次平さんは壽代さんのぬいで置いた
 紫の袴を穿いて見てきやつきやつと笑つた。
 壽代さんは袴下の細帯ばかりになつた丸腰を
 二人の靑年の眼の前に氣にして、
 後退りする様にして次の間に遁げて往つたりした。
 (『徳冨蘆花集 第11巻』日本図書センター、1999年)

これはなんと、次平=土平はやはり問題児のようです。

余談
2020年の大河ドラマ、発表が近いのかもしれませんが、
有力候補として、明智光秀が上がっているとか?
今年も来年も主人公は男、女性が主人公ならガラシャでも?

Tag:山本久栄 

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