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「間抜けた運命」

徳冨蘆花「黒い眼と茶色の目」、次平=土平は壽代=久栄と親しくなり、
敬二=徳冨蘆花にとっては、壽代=久栄に貸してもらった副読本だけが頼み。
ところが、それも「今は無用のものとなつた」というのです。

 然しながら此擔保も敬二には今は無用のものとなつた。
 敬二の Presentiment は中(あた)つた。
 彼が愚圖愚圖して居る間に、九州から上つて來た素早い從弟は、
 彼書の主を引さらつたのである。
 彼暖爐の夜以來、
 敬二は最早從弟に傾く壽代さんの心を疑ふことは出來なかつた。
 敬二は次平さんに見更(みか)えられた自分の間抜けた運命を嘲り、
 今更下に見て居る從弟と競ふを慙(は)ぢた。
 彼は其夜限り荒神口に往くことをやめた。
 片貝君が『おい、往かんのか。ロングが待つてるだらうに』と云ふと、
 敬二は澁い顏をして傍(わき)向いた。
 御所の柳の綠に萌えて櫻も花に二三日と云ふ春休を、
 敬二はつまらなく暮した。
 (『徳冨蘆花集 第11巻』日本図書センター、1999年)

敬二=徳冨蘆花、従弟の次平=土平に先を越されたと思い込んでいます。
つい先日、九州から上洛したばかりの、「下に見て居る」従弟に……。
早合点した敬二=徳冨蘆花は、壽代=久栄の気持ちを疑わず、
「最早從弟に傾」いていると思い、競うことさえ「慙ぢ」ている。
「擔保」の本は手の中にあるのに、その持ち主はさらわれてしまった。
春休みになっても、再び能勢家=横井(伊勢)家を訪ねることもなかったのです。

余談
「正義のセ」、突っ走る凛々子、正論にめげそうになりながら、正義を貫く。
お仕事ドラマだけど、かつての少女漫画の王道ヒロインみたいな感じでよい。
オーソドックスなキャラクターの成長物語の序盤に、早くも失恋。
検事として歩き始めた凛々子にとって、結婚のタイミングでなかった。
被害者は、結婚して添い遂げようという夢をかなえるために1000万を出した。
「あなたならきっと夢を叶えられる」という、結婚詐欺師へのメッセージ。
仕事と俺とどっちが大事かと尋ねるのは男、彼も凛々子の夢を応援している。
同じ吉高由里子さん主演の「タラレバ娘」と逆に、居酒屋に集うのは男たち。
クールな大塚さんも、新米のころは凛々子みたいだったりした?

Tag:山本久栄 

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