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壽代=久栄の「白狀」

徳冨蘆花「黒い眼と茶色の目」、予想だにしていなかった次平=土平の告白。
その「結論に達した順序」を、次平=土平は敬二=徳冨蘆花に語ります。

 次平さんは此結論に達した順序を最初から辿つて話しはじめた。
 敬二は耳を假(か)さぬわけには往かなかつた。
 次平さんの言(こと)によれば、敬二が荒神口から遠のいた數日の間に、
 壽代さんと次平さんの間は急速に親密の度を加へた。
 彼等は家の中に居ながら文通をはじめた。
 爾今義兄妹と云ふ關係まで容易に進んだ。
 壽代さんは將來洋行したいと思ふ事、壽代さんの阿父は縁談については
 一切壽代さん自身の選擇を標準にする意見である事、
 寧(いつそ)獨身主義をとらふかとも思ふ事などを次平さんに告げた。
 次平さんは獨身主義の不自然を論じて、
 到頭壽代さんに此人ならばと云ふ人なら結婚しても、と云はせた。
 次平さんは更に進んで、此人ならばと云ふのは、如何な人かと問ふた。
 壽代さんは終に御親友の様な人と自白した。
 御親友とは誰かと次平さんが云ふたら、
 『到頭あゝたてち白狀した。どうしてもあゝたは違ふ』
 と次平さんはしをれた聲で云ふた。
 (『徳冨蘆花集 第11巻』日本図書センター、1999年)

ここにあるように、壽代=久栄は、洋行の希望をもっていたのでしょうか。
(後に米国留学した、同志社女学校出身の土倉政子は、
新島八重の書簡の中で、この山本久栄にも言及しています。)
父親の山下勝馬=山本覚馬は、娘の縁談を勝手に決めたりはしなかった?
家を出た母・時代=時栄のことで後ろめたさもあり、放任していたのか。
詰問する次平=土平に対して、この人ならば結婚してもいい、
と壽代=久栄がようやく「白狀」したのが、ほかならぬ敬二=徳冨蘆花であった。
家の中で文通をするくらいに「親密」だった、壽代=久栄と次平=土平。
しかし、壽代=久栄にとって、その親しさは恋愛関係ではなかったらしいのです。
次平=土平の「しをれた聲」は気の毒ですが、敬二=徳冨蘆花は安堵します。

余談
「マッサン」、住吉酒造の娘として、心に蓋をして結婚しようとする優子の、
その一方に、太陽ワインの広告写真で、肌を露出する女性モデル。

Tag:山本久栄 

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