勝枝さん

徳冨蘆花「黒い眼と茶色の目」、おくら=窪田うらが突然に言い出した縁談。

 おくらさんは突然(だしぬけ)に敬二の顏を見て、
 『勝枝貰つておくれやすか』
 と云ふた。敬二は呆氣(あつけ)にとられたが、
 『勝枝さんは十二でしたね』
 と話を流した。

勝枝という名前は、この小説の中で、ここにはじめて見えました。
まだ12歳の少女は、おくら=窪田うらの孫とあります。

 勝枝さんはおくらさんの孫女で、お下げを肩から垂らし、
 前髪をひらひらさせて、紫の袴をはいて、
 協志社女學校の一年に通つて居る。
 日にやけた色の頬、眼のくるくるとして愛らしい女兒(むすめ)である。
 何時の頃からか敬二と途中に行會ふ時は、
 見かけ次第に體を二つ折にして丁寧な辭儀をする。
 つい先頃も女醫のバアクレー夫人が來診した所に行合はせた敬二が、
 赤ン坊の下痢容體の通辯を賴まれ、
 脂汗を流して居ると、敬二の背に物が觸れた。
 振顧ると、それは背に立つて居る勝枝さんの膝であつた。
 敬二がある折勝枝さんをよく云ふた以來、
 敬二は此小娘を憎からず思ふて居る様に思はれて居た。
 次平さんがおくらさんの覺めでたい頃は、おくらさんの扱帯(しごき)を借りて
 帯にしめながら『婿引出』などと笑つて居た。
 (『徳冨蘆花集 第11巻』日本図書センター、1999年)

すなわち、おくら=窪田うらにしてみれば、この縁談には理由があり、
敬二=徳冨蘆花が以前、この勝枝のことを「よく云ふた」ことがあったものだから、
「敬二は此小娘を憎からず思ふて居る」と、思い込んでいるということか。
そして、その雰囲気は、次平=土平も感じていたらしい。
勝枝本人は、敬二=徳冨蘆花の背中に膝をあてるほどに無邪気な少女。
勝枝については不明ながら、覚馬の妹、八重の姉である、
おくら=窪田うらの娘である、おきさ(=以佐?)の娘ということになる。
残念ながら、この勝枝のモデルは特定されていませんが、
教会名簿から推測すれば、勝枝=安栄でしょうか。
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Tag:山本久栄 

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